「コーラなのに、ただの炭酸水のように感じた」「病院スタッフの口数が減った気がする」体験者が明かした新型コロナウイルス感染
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 安倍総理は16日夜、新たに40道府県に対して緊急事態宣言を発令。さらに北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の6道府県については、すでに対象地域となっていた東京など7都府県と併せて「特定警戒都道府県」に指定した。

 16日の『ABEMA Prime』では、新型コロナウイルスに感染、不安な生活を送っている感染者に話を聞いた。

■「知り合いに笑われるくらい大げさな対応、それでもかかってしまった」

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 まず、自身の体験をTwitterのフォロワーに共有し、注意喚起をしてきたのが、現在も都内の病院に入院中の梵さん(仮名、34)だ。

 今月2日、38度以上の発熱があったため、仕事を休んで自宅療養することにした。その後も熱は38.5~39度代の高熱が続き、痰の絡む咳、全身の関節に痛み、倦怠感、めまいなどの症状が現れたという。「前日の1日、少し咳が出るという兆候はあったが、あまだ仕事をしていた。帰りの電車で、少し体調が悪いな、熱っぽいなという感覚があった。その夜は37度台だったが、深夜から朝にかけて一気に高熱になった。この時の症状を振り返ってみると、インフルエンザに近いのかなという感覚だ」。

 感染予防については人一倍気をつけていたという梵さん。外出時にはマスクと医療用ゴーグルを着用、少しの外出でも帰宅時には手洗いうがいを欠かさなかったという。また、自室のドアノブやスマホは頻繁に除菌し、電車のつり革などには絶対に触れないよう心がけていたという。「武漢でコロナウイルスが出た時期から、これは大変なことになったと思い、人通りが多いところには極力近づかないようにしていた。飛沫感染で目からうつって結膜炎から肺炎になったという中国の報道を見ていたので、やれることはやろうと思ってやっていた。知り合いに笑われるくらい大げさだったかもしれないが、自分としては安心感にはつながっていた。だが、それでもかかってしまった」。

 明確に思い当たる感染源はない。「一つ考えられるのは、2月から24時間営業のジムだ。しかし行っていたのは深夜の人が少ない時間帯で、3月中旬ごろからはジム側もマシンをアルコールで消毒をしたり、換気をしたりするようになっていたし、自分でもマスクをつけるようにしていた。もう一つは職場だ。そして副業でマッサージをしているので、接してきたお客さんの中に感染者がいたのかもしれない」。

■「病院スタッフの口数が減ったような気がする」

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 そして翌3日の金曜日、梵さんは保健所に相談に赴いた。しかし、受けた指示は自宅での経過観察だった。「他の人の迷惑になってしまうので、病院に行くわけにはいかない。しかし、とりあえず土日の前にアクションを起こし、保健所に相談して支持を仰いでおきたかった。聞かれたことは、身内など近しい関係の人に陽性の人がいて、濃厚接触をしていたかということ。そして、陽性を疑うような人と濃厚接触したことがあったかということ。しかし、それが分かっていたら不安にはならない。ジムかもしれないし職場かもしれない、もしかしたら通勤中かもしれないということくらいしか、答えられなかった」。

 しかし週明けの6日にはカレーの味を一切感じなくなり、嗅覚・味覚が無くなったことを自覚した。「週末は具合が悪く、何も食べていなかった。カレーを作り、買っておいた肉を焼いて入れたが、見事にご飯も鶏肉もカレーも味がしなかった。コーラも飲んだが、ただの炭酸水のように感じた。これは8割、9割方、コロナではないかと思った」。

 7日、保健所に2度目の相談へ行ったところ、医療機関に検査入院することになり、8日に受けたPCR検査の結果、陽性と判明した。「検査を受けたいという気持ちが強く、保健所に電話で相談をさせてもらった時に強く訴えた。保健所の方には負担をかけることになってしまったかもしれないが、2時間後にはそのまま検査入院という形になり、PCR検査を実施してもらった。入院直後から色々調べていたので、“アビガンの投与はありますか”と聞いた、ただ、まずは様子を見ましょうということで、解熱剤だけを投与してもらい、お試しでカトレラという薬を使った。入院後3日間くらいはずっと熱があったが、下がってくるのと同時に味覚が回復し、食欲も出てきた。それが嬉しかったのもあるが、病院食だけでは足りず、お腹が減っていることがコロナよりも気になるようになった。そのときに、“大丈夫だ”という感覚になった」。

 院内や医師、看護師の様子はどうだったのだろうか。

 「病室はトイレやシャワーもある完全個室で、廊下にも出られない。入院して3、4日経つと、他にも患者がいるのだろうという空気は伝わってくる。どうも、病床は空き待ちが続いているようだ。スタッフの方々はテレビでよく見る防護服姿だ。先週くらいまでは余裕のある空気感があったが、今週に入ってスタッフの方の口数が減ったような気がしている。2回目に保健所に電話した時にはつながりにくかったし、病院でも同じことが起こっているように感じる」。

■「感染している前提の自宅待機生活」

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 一方、感染の不安を抱えながら今も自宅待機をしているのが、松下エリさん(仮名)だ。自ら発信することで、感染や自宅待機の現状を知ってもらいたいと、取材に応じてくれた。

 松下さんは勤務先で上司など3人が新型コロナウイルスに感染、うち1人が同居するパートナーだったことから、先月26日、共に発熱などの症状が出たという。「彼の症状がひどかったので、優先してPCR検査を受けさせてもらったところ、陽性が出て、そのまま入院になってしまった。私は比較的症状は軽かったのでPCR検査は受けず、自宅療養が続いている。ただ、保健所からは感染しているだろうと言われている」。

 現在は自身もパートナーも回復傾向にあるというが、感染している前提の自宅待機生活が続いている。「彼のご両親からたくさんの食料を送ってもらった。それを食べるなどして過ごしている。保健所からはマスクをしての外出は問題ないと言われているが、もし人に接触するようなことがあれば不安なので、ゴミ出しなど必要最小限に留めるようにしている。回復した人がその後またどうなるのかなど、情報があまりなく、なかなか相談相手がいないことも不安だ」。

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 厚生労働省やWHOで医療政策に携わった東京大学大学院特任研究員の坂元晴香氏は「熱が出ても、特に元々病気を持っていない元気な比較的年齢が若い方については、目安として4日間は自宅で様子を見てくださいということが推奨されている。PCR検査についても、基本的には高齢者やガンで抗がん剤治療を受けているような重症化リスクの高い方を優先している。その意味では、味覚障害や喉の痛みだけでは優先度合は高くないが、熱が出て4、5日目、複数の症状や長引いている場合には、優先的に呼ぼうという判断になると思う。また、仮に新型コロナウイルスの感染症だと診断されたとしても、現時点では特効薬などがあるわけではなく基本的には対処療法が中心になる。自宅でも熱が辛ければ解熱剤を服用し、安静にして水分を摂る、ということが基本的な対応になる」と解説した。(ABEMA/『ABEMAPrime』より)

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