「プロレスの実況」「往年の古舘か」将棋なのに抱腹絶倒“実況名人”藤森哲也五段の話芸がおもしろい
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 「体力が無限」「パワープレス」「またひねっちゃうの?」。これだけ見れば、それが何の解説をしているか、分かる人も少ないだろう。これはすべて将棋のテレビ対局において、巧みな話芸を誇る藤森哲也五段(32)の口から飛び出したワードだ。到底、将棋とは関係なさそうなワードを瞬時に判断、使い分けて盛り上げる“実況名人”に、ファンからは「プロレスの実況」「往年の古舘か」など、抱腹絶倒の事態になっている。

▶映像:続出する「無関係ワード」

 藤森五段は2011年に四段昇段でプロ入り。女流棋士の息子として、初めて棋士になった人としても知られている。昨年には自身も結婚を発表。今後の活躍が期待されているが、将棋の成績以上にファンから高い評価を受けているのが、スポーツ実況を思わせるような解説だ。

 超早指し棋戦として知られる「AbemaTVトーナメント」でも、もはや“話芸”とも言うべき解説がフル回転。4月18日放送分でも、全9局で頭の回転と舌の速さで、ファンを爆笑の世界へと巻き込んだ。藤森五段の特徴といえば、将棋とは全く関係ないワードを異業種から持ち込み、局面を説明するところにある。

 たとえば相手に圧力をかけるような攻めを「パワープレス」、戦力十分の状況に「体力が無限」と、まるでプロレスかサッカーといった言葉を使えば、「ちょっとちょっとちょっとでしょ」「またひねっちゃうのー?」と、どこか真面目なイメージがある将棋とはかけ離れた、くだけた表現もある。さらには「今何が起きたのか、ちょっとわかりません」「誰か説明してくれませんか」と、“解説放棄”のようなコメントも飛び出すが、この素の反応が対局者の凄さを伝えることにもつながっている。

 次々と将棋界で「新語」を生むことでも知られるだけに、ファンからは「実況解説は天才的」「ワードセンスがめっちゃ自由」「プロレス実況だ」「往年の古舘を思い起こす」「実況名人だ」と、ネット上でも登場する度に賛辞が並ぶ。放送対局の主役はもちろん対局者の2人ではあるが、藤森五段が解説を務める時には、対局と同じレベルでチェックが必要だ。

◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

ABEMA/将棋チャンネル)

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