コロナ禍による困窮で被害者が増える可能性も…闇金の新たな手法「給料ファクタリング」とは
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 「コロナで会社がテレワークになって、残業代が入ってこない。そこを補おうとした。簡単に言えば闇金。恐怖とは隣り合わせだ」。

 経済が落ち込む中、生活が困窮して闇金に手を出してしまったと明かすのは、30代前半の山田氏(仮名)。ある闇金業者は「今までは怪しいからと手を出さなかった人も借りてくれるので景気がいい。コロナ様様だ」。

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 10日で1割の利息を取る“トイチ”などの言葉と共に2000年代初めに横行した闇金。ヤミ金融対策法などの制定により鳴りを潜めていたものの、最近になり、再び動きを活発化させているという。実際、SNS上には「お金貸します」「即日融資可」「ひととき融資」といった言葉が。そんな中、金融庁が「絶対に手を出さないように」と警鐘を鳴らすのが、「給料ファクタリング」だ。

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 これは利用者が将来受け取る給料を担保のようにして金を借りる、いわゆる給料の前借りのようなシステムで、闇金業者が「これは借金ではありません。あなたの給料を買い取る、現金化するサービスです」との謳い文句で勧誘しているケースもあるといい、お金を借りたい人たちが安易に手を出してしまいがちだという。しかし実態は手数料という名の利息が毎月取られる立派な“借金”で、多額の手数料を年利換算すると700%を超える計算になるものも。

 そもそも利息は出資法で年20%以下に制限されているが、業者側は「これは給料を債権として買い取ったもので貸し付けには当たらない」と主張。しかし今年3月、金融庁が「貸金業登録を受けず業務を営む者は違法な闇金融業者。生活が破綻する恐れがある。絶対に利用しないで」といった見解を示したことで問題が表面化した。

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 消費者問題に詳しい釜井英法弁護士は「正確なデータはないが、給料ファクタリングは昨年くらいから増えてきていると思う。やはり闇金と聞くと怖いイメージがあると思うが、給料ファクタリングの業者は“これは貸金じゃありませんよ。給料の前渡し、前払いなんですよ”というように敷居を下げてくる。結果的には手数料が取られ、しかも1000%超えるような、まさに闇金並みの利息を取ったりする。自分でやり繰りして返済しようとしても、また他のファクタリング業者や闇金に借りないと返せなくなっていくため、やはり専門家、弁護士、司法書士にちゃんと相談に行って現状を話した上で、対策を考えるというのが1番正しいやり方だ」と話す。

 前出の山田氏は去年6月にA社から6万円を借りていたが、コロナ禍で備蓄品などの出費が増え、残業代もゼロになったため、今年2月からB社に3万円、C社に3万円、そして3月にD社から3万円をそれぞれ借り、計4社・10万円程の返済が残っている。「最近になってテレワークが多くなってしまったので、もらえるものと考えていた残業代がなくなってしまった。加えて必要な経費がかさんできてしまったので、追加で別の会社から借り始めてしまった」。

 そして利用してしまったのが給料ファクタリングだ。「最初は少ない金額から提示されていって、利用実績が重なっていくごとに借りられる金額が増えていくというシステムが取り入れられていた。元々1社、大きい金額を使っているところがあって、どうしても総量規制で引っかかってしまったので、追加で借りる時に審査が不安だった。そういう事情を話すと親身に聞いてくださって、“これくらいの金額なら出せますよ”みたいな感じで言われて。安易な気持ちで始めてしまった。“他社でファクタリングを使っているか”と聞かれ、“おまとめローンみたいなこともできるけどどうか”と積極的に誘われた。私の場合、10万いくかいかないかくらいの金額だったが、ニュースが出始めて、“ずっと繰り返していったら、いくら安定した収入やボーナスがあったとしても…”と自信がなくなり、相談をしようかなという運びになった」。

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 釜井弁護士は「まさにこの勧誘が罠だ。金額が大きくなれば手数料、利息がたくさん取れるから、そういう点では絶対に応じてはいけない話だ。結局こういうところを利用するというのは、生活が今の収入では苦しいから。そうすると、その苦しいところを少し補ってしまうと補った以上の支出がまた次の月から発生する。生活が苦しい状態がその時はなんとかうまくいっても、翌月には払ったらもっと苦しくなる。もし借りるとすれば、社会福祉協議会や無利息、保証人がいらないような融資を利用するということを考えて、それが自分に利用できないとなれば、その状況をどう改善したらよいかということを専門家などに相談する必要がある。借金があれば、それは弁護士とかに相談する、それが一番だと思う」と説明。

 また、いわゆる“過払い金”についても「法律的には払わなくてもいいし、払った分については相手から取り返すことができる。それを個人でやろうとすると、結局は給料を前借りした形、給料を譲り受けたという形式を取っているから、業者は“会社に連絡させてもらいますよ”というような形で淡々と言ってくる。しかし闇金のように脅迫的に言われようが優しく言われようが、勤務先に連絡されるというのはその人にとっては致命的なところがあるので、そこで返さざるを得なくなる。ずるずると悪いループになってしまう」と実情を明かした。

 弁護士に相談し、現在はそれぞれの会社と交渉中だという山田氏。「家賃や生活に困難な面があったので、実は2度ほど社会福祉協議会に相談にも行った。しかし、“わずかながらも収入のある人は”ということで門前払いされてしまった。とにかく早く働きたいというのが本音なので、コロナに早く落ち着いてほしい。これから給付金も支給されると思うので、それをあてにしてファクタリングを使う人が出てくるのではないかと不安だ。経験者として、他の人が私の二の舞にならないことを祈りたいと思う」と呼びかけた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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