コロナ禍で悪夢を見る人が世界中で?“記憶の関連づけ”や“現実の心理状態”が関連か
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 「自宅待機になってから、良くない夢ばかり見るようになった」「コロナや見たこともない虫の夢ばかりで眠りたくない」「襲われそうになる夢を見た。この1週間毎日、こんな夢ばっか」。

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 いつ終わるとも知れない自粛生活に、不安や苛立ちなどの負の感情に苛まれている人は多いのではないだろうか。そんな中、“コロナウイルス・パンデミック・ドリーム”と呼ばれる「悪夢」が世界中で報告されており、Twitterには「#pandemicdreams」を付けた数多くの“悪夢報告”が。日本でも、SNS上で同様の報告がなされているという。 心理学の見地から夢を研究している東洋大学の松田英子教授は「健康や生命だけでなく、財産や雇用など経済的な見通しの暗さは不安を非常に強く煽るので、悪夢が増えると考えられる」と話す。

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 睡眠時間は人生の3分の1を占めるといわれるほど大切もの。そんな睡眠の中で、人はなぜ夢を見るのだろうか。睡眠時の脳の働きを研究している山中章弘・名古屋大学環境医学研究所教授は「何のために見ているか、どういう役割があるかのかといったことは脳科学的には分かっていない。ただ、“記憶の関連付け”ということが考えられている」と話す。

 また、心理学の研究では、夢の内容は起きている間の心理状態と関連しているという研究結果もあるようだ。前出の松田氏は「本当は毎晩見ているはずだが、思い出していない。そして、思い出せた夢に関しては不安、恐怖、焦りなど強い感情の夢が多いので、圧倒的に悪い夢の方が多いということになる。そして、夢の中で“これは夢だ”と気付いている状態を“明晰夢”と呼ぶ」と説明する。

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 実は、この「明晰夢」を頻繁に見ている人は、その筋書きをコントロールすることができる可能性があるのだという。これにより、コロナの悪夢を克服することはできるのだろうか。

 松田氏によれば、「細部に注目し、現実とは違うポイントを探すこと」「起きたら日記をつけるなどして、内容を鮮明に思い出せるようにすること」「2度寝、3度寝をすること」の三点を意識し、繰り返し行うことで明晰夢を見られるようになるかもしれない。そうすれば夢をコントロールすることも不可能ではないかもしれないという。

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 同様の方法で夢をコントロールできるようになったと話すのが、お笑いコンビ「そいつどいつ」の松本竹馬だ。元々睡眠が浅い自覚があり、夢を毎日見ていたことから、夢日記を付け始め、目覚ましをかけて2度寝を実践するようになる。すると夢が“濃く”なり、味覚や触覚などの五感を感じるようになっていく。そして1カ月ほど経った頃から夢を自在にコントロールできるようになったという。

 それからというもの、多い時で週に2回ほど夢をコントロールしていたという松本。夢を見るのが楽しくなり、1日に10時間以上は寝ることも。「寝る前には内容は分からない。普通の人は“これ夢だな”と気付いた時に目が覚めたりするが、それがコントロールできるようになる。空を飛んで世界を救ってヒーローになったり、高校時代に戻って全校生徒の前でバンドしたり。何よりも、相武紗季と付き合ったのが最高だった(笑)」。

 そんな松本だが、大学4年の夏、起きても起きても女性の幽霊が出てくる夢を見て、現実との区別が付かなくなるという経験をし、怖くなって夢をコントロールするのをやめてしまったという。前出の山中氏は「明晰夢を見ている間は、脳が覚醒時に近いレベルで活動をしているので、脳としては休んでいないということになる。寝てはいるが疲れが取れない、十分休めていない状態になってしまう」と、そのリスクを指摘した。

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 夢をコントロールすることにもリスクが伴うのだとすれば良質な睡眠をとって休息するのが、悪夢を避ける最善の策かもしれない。そもそも良い睡眠を取るためには「規則正しい睡眠習慣(布団に入るタイミングを決める)」「散歩やランニングなどの運動習慣」「就寝の2~3時間前の入浴」「起床後に日光を浴びる」「就寝に近い時間の食事は控える」などがあるという。また、最近注目を集めているものとして、睡眠専門クリニック「スリープ・クリニック」や、良い睡眠をとるためのテクノロジー「スリープテック」も登場している。音を流すことによって深い睡眠の質を高めるヘッドバンドや、一晩中モニタリングし眠りやすい姿勢を維持するベッド、いびき防止ウェアラブルデバイスなどがその例だ。

 松田氏は「一番大事なのは睡眠の“リズム”で、朝起きる時間が一定であるということベストだ。また、寝る前の気分、夢の中で出てくる感情、目覚めた時の連続性に関しても研究されている。睡眠中は完全にはコントロールできないが、寝る前にリラックスし、楽しいことのイメージを膨らませ、整えておくことが大事だ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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