現在、ノアのジュニアヘビー級戦線は混沌とした状態になっている。
5月9日配信のTVマッチではHAYATA&YO-HEY(ラーテルズ)vs小川良成&鈴木鼓太郎(スティンガー)のジュニアタッグ王座戦が行なわれたが、この試合が大波乱。勝利目前でチャンピオンチームのHAYATAがパートナーを裏切り、敵である小川と結託してしまう。“夫婦タッグ”HAYATA&YO-HEYのまさかの“離婚”だ。
試合はノーコンテスト、ベルトも返上。SNSでファンが騒然となったその翌日、10日のTVマッチではさっそく立場を入れ替えてのリマッチ、王座決定戦が組まれた。ラーテルズはYO-HEY&タダスケ、スティンガーは小川とHAYATAだ。荒れ模様の試合は両者リングアウト。収拾がつかない状態となったが、ラーテルズの要求で再試合に。
遺恨うずまく闘いはHAYATAがYO-HEYをフォールし、スティンガーの勝利。これで鼓太郎のシングル王座を含めジュニアのベルトを独占したことになる。
しかし、スティンガーからも“造反者”が出た。5.10TVマッチの前半戦。鼓太郎とのタッグで勝利した小峠篤司が離脱を宣言したのだ。小峠は鼓太郎をKOすると、対戦した大原はじめ&吉岡世起の杉浦軍ジュニアコンビに共闘を呼びかけた。
吉岡は止めに入った杉浦軍の参謀・NOSAWA論外に蹴りを食らわせ、新ユニット結成をアピールした。
「これから全開でいく」という意気込みから、小峠&大原&吉岡のユニット名は「フルスロットル」に。小峠には自分抜きで戦力拡大に動いたスティンガーへの疑問があり、大原は“杉浦軍の縁の下の力持ち”から脱してジュニアに本腰を入れたかった。WRESTLE-1活動停止からノアに参戦してきた吉岡はとにかく結果を出して上に行きたい。そんな3人の「モヤモヤ」(大原)が行動につながったようだ。
(インタビュースペースで作戦会議の杉浦軍。カシン加入はあるのか?)
小川&HAYATAがタッグベルトを手にしたリングに、このフルスロットルも登場。因縁は3すくみの状態となった。小川は“裏切者”である小峠について「もともといらなかった。邪魔者がいなくなっていい形になった」とバッサリ。逆に鼓太郎は「キッチリ落とし前つけてもらう」と制裁を予告している。
これに「金剛」の仁王&覇王も含め、ノアのジュニア戦線は新たな勢力争いの図式に。そんな中、大原と吉岡を失ったのが杉浦軍だ。前日には論外が鈴木秀樹らの“一時解雇”を通告しており、かなりの戦力ダウン。インタビュースペースでは、論外が杉浦に現有勢力の報告を行なっている。
論外「残留メンバーはボス・杉浦貴、NOSAWA論外、レネ・デュプリ、イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr、音信不通の藤田和之、桜庭和志、ケンドー・カシン……」
杉浦「今なんつった?」
何度メンバーを数えても、最後に「ケンドー・カシン」と言ってしまう論外。「一番出しちゃダメな名前だろ!」と加入拒否の姿勢を見せた杉浦だが、果たしてどうなるのか。
その実力を高く評価されながら“問題児”とも“悪魔仮面”とも呼ばれ、神出鬼没にして脈絡不明な行動でも知られるカシン。仮に杉浦軍に加入したとして、大幅な戦力アップになりそうな気もするがチーム崩壊の危機を招きかねない危険性もある。ノアはますます“予測不能”なリングになってきた。