新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、経済に大きな影響を与えている。各国が大規模支援策を打ち出す中、日本では先月30日に今年度の補正予算案が成立。一律10万円支給などの手続きが始まったばかりだ。安倍総理は14日にも、家賃支援や雇用調整助成金の上乗せなどを含む第2次補正予算案の編成を指示する見通しとなっているが、対応のスピード感が指摘される中、影響は事業者だけではなく、学生にまで広がっている。
学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」の調べによると、大学生や大学院生、短大生など1200人を対象にアンケートを行ったところ、じつに20.3%が「退学を考えている」と回答したことがわかった。この結果を受け、団体は先月30日に「一律学費半額」を求める要望書を文科省に提出。8日には公明党が一律10万円給付を文科大臣に要請した。
同団体のメンバーで中央大学2年生の村田くるみさんは「多くの学生がアルバイトから学費や生活費を普段からまかなっている。一番太い柱であるアルバイトが欠けてしまうと、生活が成り立たなくなってしまう」と窮状を訴える。
東京都の小池都知事は先週金曜日の会見で、都が大学生に1日当たり190人のアルバイトを用意すると発表したが、そのことについて村田さんは「仕事を用意してくださるということに関して、経済の発展としてはいいものだが、コロナの状況を考えると外出もしたくない。現時点での根本的な救済としては考えにくい。早く、大胆に、十分にすべての学生を救える制度支援を考えて欲しい」と個人的な見解を述べた。
「退学検討20%」という忌々しき事態に東大大学院卒で元セクシー女優、さらに元日経新聞記者の作家である鈴木涼美氏は「教育問題は最も政治決断が必要」との見解を示すと「学生の教育は、当人のためにあるというよりは、今後の国を担っていく人たちを作らなければ、それは国民全員の損になる。政治家はそのことを理解すべき。お年寄りを大切にするのも大事だけど、まずは子どもと学生の教育を早急に。崩壊寸前の奨学金制度にテコ入れするなどして、後々納入するにしても、長いスパンで待ってくれるような制度を作るべき」と主張した。
この問題について早稲田大学は「学費および実験実習料の減額をしない」とする考え方を表明する一方、オンライン授業実施など一次的な支出増については今年度の在籍学生だけの負担としない。また、家計が困窮する学生に10万円の緊急支援金などの支援策を設けるなどと発表している。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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