5月10日に配信されたプロレスリング・ノアのTVマッチで、SKE48の松井珠理奈がゲスト解説を務めた。ドラマ『豆腐プロレス』でレスラーを演じ、その“リアル版”として実際に試合もした珠理奈。ドラマがきっかけでプロレスファンになったことでも知られている。
初めてのノアの解説で何を感じたのか。アイドルだから感じるプロレスの魅力とは。放送直後に単独インタビューを行なった。
――無観客試合の解説、しかもリモートで個室という独特のシチュエーションでした。
「一人だとめっちゃ心細いですね(笑)。でも集中して見れたなっていう。あと、いつもは携帯とかタブレットで(中継を)見てるので、大きいモニターで見れたのもよかったです」
――ノアの試合を見るのは久々ですか。
「昨日(9日)の大会は見たんですけど、その前は……1年ぶりくらいです」
――そうなると選手の顔ぶれとか勢力図がだいぶ変わってますよね。
「凄く変わりましたね。見た目のイメージが違った選手もいましたし。(中嶋)勝彦選手が凄くワイルドになってて。前は爽やかイケメンって感じでしたよね。あとマイバッハ(谷口)選手」
――もうマスクマンじゃないし本名(谷口周平)ですもんね。
「いろんなところが変化してるので、これはちゃんと追い続けたいなって。特にジュニアは今回から新しいスタートみたいになってますもんね」
――いろいろな団体を見てきた中で、ノアのどのへんに魅力を感じましたか。
「みなさん個性が強いですよね。イケメン選手が多いから女子のファンが増えそうだなって。それとキックが強い選手が多くないですか? 勝彦選手だったり拳王選手だったり。私、打撃の音がめっちゃ好きなんですよ。打撃のバチバチいう音を感じるにはノアがいいと思います。そういえばヒールの選手も多かったような」
――今回はメインがグレート・ムタ&魔流不死ですし。他では見られない試合でした。
「反則ばっかりみたいな試合って、あんまり見たことなくて刺激的でした。映像でも怖かったですよ……。あれ会場で見てたら相当、迫力があったと思います。やっぱり会場で見たくなりますね(笑)。でもあの試合は映像向きっていうか、プロレスを知らない人とか子供が見ても面白いでしょうね」
――テレビ映えするでしょうし。
「途中、ちょっと魔流不死選手が鉄拳さんに見えてきちゃったんですけど(笑)」
――珠理奈さんもドラマ『豆腐プロレス』でハリウッドJURINAというレスラーになって、実際に試合もしましたけど、やっぱり別人になるって楽しいですか。
「めっちゃ楽しいです! リングに上がる時は完全に別人というか、ハリウッドJURINAとしてのスイッチが入るんですよ。特に私は金髪にしてたので、特に“別人”でしたね。もう入り込みすぎて、ダンスのパフォーマンスしてる時も“ハリウッド感”が凄いって言われて(笑)」
――ハリウッドJURINAとして踊ってると。
「プロレスって、練習してる時は本当に辛いんですよ。体もメチャクチャ痛いし。でもリングに上がるとアドレナリンが出て楽しくなっちゃうんですよね」
――解説でも「プロレスやりたくなった」と言ってましたね。あれは珠理奈さん独自の目線だなと。
「ありがとうございます(笑)。今日のノアの試合を見てたら“プロレスって楽しいな”ってあらためて思いました」
――無観客の難しさも感じましたか?
「やっぱり、お客さんの歓声があるから勇気を出して飛ぼうっていう感覚もあると思うんですよ。コールがあったら嬉しいですし。特にノアはお客さんが一緒に試合を作っていくイメージがあって」
――アイドルはどうですか。通常のライブがあり、歌番組のスタジオ収録のような場合もあるし、今は無観客ライブも、という。
「普段のライブは、ファンがいるから極限まで力が出せるんですよ。疲れても“まだいける!”みたいな感じで踊れるんです。逆に歌番組はやりすぎると画面的に映りが悪くなることもあって」
――画としての完成度が重要だと。
「それでちょっと抑えてみたりとか。無観客ライブはカメラの向こうのみなさんに“伝える”ことが大事ですね。ライブなんだけどアップにもなるから細かいところに注意しなきゃいけない。どうやってテンションを上げようかなっていう課題もありますし。それぞれ違いがありますね。プロレスラーのみなさんもテンションは大事じゃないですか。大技を出して“決まった!”っていう時に歓声がないとやりにくいんじゃないかなって」
――共通点はありますよね。
「私はプロレスを見て、特にマイクパフォーマンスが勉強になりましたね。ダラダラしゃべらずに、15秒とか長くて30秒で言いたいことをスパッと言い切る。プロレスラーは言葉選びも凄いんだなって」
――48グループの中でも、特にSKEの気合いの入った感じというか“戦闘集団”感はプロレスに合ってましたよね。
「最初、秋元(康)先生に『プロレスのドラマやるけど、出る?』って言われた時はめっちゃ迷ったんですよ。その当時でアイドル10年くらいやってて、しかもSKEのダンスは激しいから体があちこち痛すぎて。どうしようかと思ったんですけど、お父さんがプロレスが好きっていうのもあって。“見てくれたらいいな”っていう気持ちで。ただチャンピオンの役なので、人の何倍も練習しなきゃいけなかったんですよ。メンバーのみんなよりうまくなきゃいけない」
――みんなとスタートは一緒なのに、役柄的に自分だけ飛び抜けてなきゃいけないという。
「それもいい経験になりましたね。ドラマがきっかけでプロレスファンの方が応援してくれるようにもなりましたし。私自身もプロレスが大好きになって。もともと趣味がなかったので、こんなにハマれるものがあるんだって。それが嬉しかったですね。プロレス好きのスタッフさんが話しかけてくれたり、友だちも増えました」
――中継では“推し選手”として同世代(同学年)の清宮海斗選手を挙げられてました。清宮選手は「全然、趣味がないんです」と言ってましたね。
「分かります。私もアイドルに集中しなきゃいけない、SKEに集中しなきゃいけないって思ってたんですよ。よそ見しちゃいけないって。清宮選手もそういう感じなのかもしれないですね。若くしてトップに立って、強い先輩たちに勝ってきた中で凄いプレッシャーを感じてたと思うんですよ。でも今はベルトがないので、自由にやってほしいですね」
――一息つくじゃないですけど。
「今なら趣味を持つ余裕も出てくるんじゃないかなって。ぜひアイドルファンになってほしいです(笑)。ぜひ“趣味:SKE”で」