野月浩貴八段の意地 佐藤康光九段に勝ち越し「非常に楽しかった」/将棋・AbemaTVトーナメント
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 将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Cリーグ第3試合、チーム木村VSチーム康光が6月6日に放送され、中堅戦でチーム木村・野月浩貴八段(46)がチーム康光・佐藤康光九段(50)との三番勝負に2勝1敗で勝ち越し、1ポイントを獲得した。チームはトータルポイントで予選敗退が決まったが、永世棋聖の有資格者でもあるレジェントの一人に、野月八段が意地を見せた。

 予選通過の道が断たれても、しっかりと最後まで戦い抜いた。攻撃的な将棋が持ち味の野月八段。永世棋聖の有資格者でもある佐藤九段に真っ向勝負を挑み、堂々と勝ち越した。

 1敗すればチームの予選敗退が決まる第1局。先手番から得意の相掛かりで勝負に出た。あの手この手を繰り出してくることで知られる佐藤九段の猛烈な追い上げをかわし、きっちりと先勝。大逆転での予選通過に夢をつないだ。ただ、第2局は白熱の大接戦ながら、167手の末に惜しくも敗戦。予選敗退が決まったが、それでも毅然とした態度で「最後までしっかり指したいと思います」と語った。

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 いつ何時も、盤に向かったら最善を尽くすのが棋士の務め。ABEMAの将棋チャンネルについては、立ち上げ期から携わってきただけに「出役」となった今回、全力の将棋を怠るわけにはいかないと、気合を入れて最終局に向かった。相居飛車の将棋で、積極果敢に攻め立てると、3局続けて佐藤九段のペースでは戦わせず、最後は118手で勝ち。将棋界を統べる相手に対して「接戦を3局させたというのは非常に楽しかったです」と、充実感を漂わせた。

 同い年3人組が集まったチーム木村。実績、段位では2人に劣る面もあった野月八段だが、今回の戦いにおいてはその指し様を、十二分に出し、ファンの心に刻んだに違いない。

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◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

(ABEMA/将棋チャンネル)

▶映像:野月浩貴八段の激闘

野月八段、満面の笑み
野月八段、満面の笑み

▶映像:藤井聡太七段、注目のタイトル戦初戦

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