プロレスリング・ノアの“新たなる希望”清宮海斗が、次なる一歩を踏み出す。6月14日に中継される無観客大会で、自らアピールした相手・武藤敬司と6人タッグマッチで対戦するのだ。
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この試合について、そして清宮について、川田利明に印象を聞いてみた。昨年、川田は清宮に得意技ストレッチプラムを直接指導したこともある。川田にとって、清宮は世代の違う“今の時代”のレスラーというイメージが強いようだ。
「SNSでトレーニング風景の動画を上げてるけど、昔は隠して見せないもんだったから。今は逆になってる、世の中が変わったんだなと。練習は見せないで試合で凄さを見せるのが昔のプロレスラーだったんだけど」
清宮の個性としてあげたのは「肌の白さ」だった。実はそれも、プロレスラーとしては大事なことなのだという。
「日焼けしたレスラーが多い中で、日焼けしないで白い肌でいるでしょう。プロレスラーは他の人と違うことをやることで目立つ。白い肌はいいと思います」
ただ、もっと個性を押し出したほうがいいとも。
「彼はまだきれいすぎる。毒を持ったら変わってくるんじゃないですか。リングの上のハチャメチャな荒々しさみたいなものが、きれいすぎて見えないんですよ」
その意味で、先日の清宮の「レインメーカーを体感したい」というアピールは重要だった。
「オカダ(・カズチカ)選手に限らず、いろんな選手とやるのが大切でしょうね。今はノアの中でおさまってますから。全日本プロレスも、昔は全日本の中だけでやっていた。だけど自分を皮切りにいろんなところでやるようになって、そうすると風景が変わるんですよ。そのことで自分も変わっていった」
武藤との対戦に向けては、川田はこんな“分析”をしてくれた。
「やるんだったら武藤ブランドを壊すくらいの気持ちでやってほしい。(武藤は)キャラが強すぎるから、そうしないと自分が目立てない。(清宮は)自分を悪く見せたりイメージを壊してないから。自分を壊す気持ちで相手も壊しにいかないと。優等生から抜け出してほしい。そういう意味では、俺と三沢さんの試合は他の人にはできない試合だったと思ってますね。あれだけムキになって感情出してくるのは俺に対してだけだったから」
川田の言葉の中には、今後の清宮にとっての大きなヒントがありそうだ。清宮はこの言葉をどう受け止め、どんな試合を見せてくれるだろうか。
文/橋本宗洋