6月14日に配信されたプロレスリング・ノアの無観客大会「NOAH ”GOFORWARD Day1”」。この日は“ノア通”芸能人として選手たちとの親交も深いタレントの山田邦子と、小橋建太のダブル解説で盛り上がりを見せた。
そんな中、この日リモート解説初体験で「新しい挑戦」と意気込みを語ったレジェンド・小橋の鋭く的確な解説に注目が集まった。
とくに笑いを誘ったのが、中嶋勝彦に50歳の大ベテラン・井上雅央が挑戦者として挑んだGHCナショナル選手権試合。中嶋の「誰の挑戦も受ける」との言葉を真に受けて手を挙げた井上が勝ち取って実現したまさかのタイトル戦だ。
井上は小橋にとって、ノア旗揚げ時からリングを共にしてきた後輩だが「そうでしたっけ?」とうそぶくボケにはじまり、"豪腕解説”の名のとおり、ときに辛辣、ときに愛に溢れたコメントを連発した。
絶好調、飛ぶ鳥を落とす中嶋に対して井上の挑戦に視聴者からも「秒殺で終わりそう」「中嶋お手柔らかに」「8分持つかな……」とワンサイドでボコボコにされるという不安の声が多数だった。しかし、独特のノラリクラリと自分の世界に引き込む通称「マサオワールド」に王者・中嶋は「なんとなく嫌な相手」と警戒する。
山田も「小橋さん(井上選手は)大丈夫でしょうか?」と不安げに聞くと、小橋は「大丈夫じゃないですね」とキッパリ。しかし序盤の攻防で、18歳の年齢差がある中嶋がおちょくるようにパチンと井上の後頭部を叩くと「年上の人間に対して失礼ですね」と苦言を呈する場面も。
序盤は中嶋の鋭い蹴りを一方的に受けワンサイドの展開。視聴者からも「悲壮感あふれる声」「散々…」「オヤジ狩りにあってるようにしか見えない」といったコメントが並ぶ。
小橋が終始劣勢の後輩の姿を見て「井上は基本的なものがしっかりしているからのマサオワールドですから、しっかりした部分をみせてほしい。杉浦貴に勝ったチャンピオン中嶋に挑戦した度胸を買いたい」とエールをおくった直後に、井上が中嶋をリング下に突き落としリングアウト勝ちを狙うと「やっぱり姑息だ…」と、本音を覗かせた。
その後も姑息なマサオワールドが炸裂。コーナーポストからわざとずり落ちてコケるムーブに小橋は何度も「これは雅央の誘いです」と攻撃を貰いながらも一発逆転を狙う井上の怖さを指摘した。
中継で小橋は「雅央は昔ジャンボ鶴田さんの付き人をやっていて正統派だったんです。いつからかこんなになったんでしょうかね…」とボヤいたり、期待に応えて井上がペースを握りはじめ「よしこれで終わりだ!」と掛け声を上げると小橋が「これで終わった試しがないですよね…」と、上げては下げる迷コメントの連発。解説陣からも笑いがこぼれた。
試合後半には、アルゼンチン・バックブリーカーで中嶋をあと一歩まで追い込んだ井上だが、スリーパーホールドで立ったまま失神、レフェリーストップという壮絶なエンディングで惜しくも敗戦。
惨敗を予想したファンからも「雅央いい試合だった」「マサオ良かったぞ」「全力だったな…泣ける」と感動のコメントが多数。また見事な戦いを繰り広げて散った50歳の後輩に対し、終始辛口だった小橋も最後は「雅央の頑張りが見れましたね。タイトル奪取ならず残念でしたけど、もう一度挑戦してほしい」と見事な戦いぶりを労った。