去る6月12日(金)~14日(日)までの3日間、伊東温泉競輪場にて『競輪ルーキーシリーズ2020』の第3戦が開催されました。
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今年3月に日本競輪選手養成所を卒業した新人選手の男子117期と女子118期の顔と名前、そして脚力を知ってもらうことを目的として新設されたシリーズ全3戦も今回で最後。7月の本格デビュー後に「頭で買える」新人選手を見定めるためにも、競輪ファンとしては見逃せないシリーズでした。“ゴールデンエージ”と呼ばれる117期、118期だけのレースで有終の美を飾ったのは誰だったのでしょうか……3日間に及ぶ闘いをレポートしていきましょう。
まずは男子117期から。小倉での第2戦で完全優勝を果たした山口拳矢選手(岐阜)に、養成所で在所トップだった長田龍拳選手(静岡)。それとゴールデンキャップ獲得の坂本紘規選手(青森)が注目です。特に長田選手は地元だけに是が非でも勝ちたいところでしょう。
初日第8レースに登場したのは平昌冬季五輪モーグル銅メダリストの原大智選手(宮城)。前回の広島では3着、5着、3着だっただけに今回は2連対に絡んでほしいところでしたが、3着まで。「後悔のないレースはできた」というコメントも見られたので今後に期待しましょう。第9レースは前回広島で優出を決めた青野将大選手(神奈川)が人気に応えて番手差しで1着。第10レースは地元の渡邉雅也選手(静岡)と道場晃規選手(静岡)が後続を大きく離してワンツー決着。第11レースは山口選手と坂本選手が登場。水森湧太選手(東京)の仕掛けに付いていこうとした坂本選手でしたが、やや踏み遅れ。すかさず前で構えていた山口選手が水森選手の番手に収まり、最終バックにて番手発進で1着フィニッシュ。2着には同県の長屋秀明選手(岐阜)が続きました。最終12レースに登場したのは在所1位の長田選手。赤板ホームで前に出て様子をうかがうも、気付けば最後方。どうなることかと思いきや、一気の捲りで勝つあたりはさすがの実力者というレースでした。
2日目。第8レースの人気は初日に捲りで1着の渡邉選手。同県の鈴木陸来選手(静岡)とのラインワンツーを決めました(鈴木選手が逃げて1着、渡邉選手が2着)。第9レースはずっと後方で構えていた山田雄大選手(埼玉)が最終ホームから発進して集団をひと呑み。番手に付いていた地元の仁藤秀選手(静岡)が差して1着となりました。第10レースは状況を見極めて好位置を取り続けた青野選手が前日に引き続いて連勝。第11レースは山口選手が打鐘先行逃げ切りで見事5連勝を達成。第12レースは長田選手の連勝かと思いきや、仕掛け遅れて捲りが届かず坂本選手の勝利となりました。
さて、最終日。地元静岡は渡邉選手-長田選手-仁藤選手の3車が結束し、そこに連勝の山口選手と青野選手が単騎でどう挑むのかに注目が集まりました。赤板ホームで青野選手が前に出切ったところを静岡勢がすぐ叩き返して前に。打鐘で再び青野選手が静岡勢を叩き返したところの番手に付いたのが坂本選手。そこに乗り換えようとした長田選手でしたが、さらに外から捲って出たのが山口選手。そのまま最終コーナーで捲りきってフィニッシュ。小倉に続いて完全優勝達成です!
やはり山口選手は競輪の上手さが際立っているますね。ベテラン選手たちと走っても通用するのか、楽しみです♪
続いて女子118期。参加の14人は全員、広島や小倉で実践済みなので力を存分に発揮できるでしょう。注目は広島で完全優勝を果たした在所1位の永塚祐子選手(神奈川)。
初日の第6レースは在所成績上位の下條未悠選手(富山)が人気の中心。最終ホームで叩いた岡本二菜選手(東京)に付いていった杉浦菜留選手(愛知)のさらに後ろに付けた下條選手でしたが、頭までは届かず。杉浦選手が差して1着。下條選手が2着、岡本選手が3着という結果に。第7レースは永塚選手が本命、前回の広島で初日2日目にピンピンと1着を並べた青木美保選手(埼玉)が対抗という図式。結果、最終バックで捲りに行った永禮美瑠選手(愛知)のさらに外から永塚選手が捲って1着。その番手に付けていた青木選手が2着で本命決着となりました。
2日目。第6レースで先に仕掛けたのは杉浦選手。その後ろに乗った永禮選手が最終バックで番手発進。さらにその後ろに人気の青木選手が付こうとしたところ、内から来たのは近澤諒香選手(三重)で、そのままワンツー決着。第7レースは打鐘直後に落車が発生しましたが、それでも慌てず前団に位置して先に捲って行こうとする増田夕華選手(岐阜)の番手に付いてゴール前でかわした永塚選手。連勝となりました。
そして最終日。第11レース、ガールズ新人決勝。Sを取って正攻法に構えたのは近澤選手。その後ろに永塚選手。打鐘で動いた近澤選手に次いで踏み上げ、最終ホームで叩いて先行した永塚選手。ゴール前直線で番手に付いていた近澤選手が迫るも、逃げ切って完全優勝を果たしました。お見事です♪
というわけで男女ともに完全優勝となったわけですが、広島、小倉、伊東と3場所連続、男女ともに完全優勝という結果。ゴールデンエージで粒ぞろいの117期、118期なのに意外でしたね。優勝した4選手は末恐ろしい限りです。
ちなみに彼らの本格デビュー戦は……
・山口拳矢選手:7月9日(木)~11日(土) 名古屋競輪場
・町田太我選手:7月10日(金)~12日(日) 広島競輪場
・永塚祐子選手:7月17日(金)~19日(日) 平塚競輪場
・尾方真生選手:7月6日(月)~8日(水) 青森競輪場
の予定です。男子は3連勝なるか、女子は先輩たちと走ってどうなるのか、注目して見ましょう♪