過去に「いきなり!黄金伝説。」「『ぷっ』すま」「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」など、数々のバラエティ番組を担当したテレビ朝日・友寄隆英ディレクター。自らがリポーターとして出演した「陸海空 地球征服するなんて」では、アマゾンの部族と共に生活し、世間に強烈なインパクトを残した。今では「破天荒のナスD」として知っている視聴者も多い。

【映像】「百鬼夜行だ…」SNSで大反響 ナスDの“リアル鯉のぼり”(41分ごろ~)

 そんな“ナスD”こと友寄ディレクターを『タモリ学』『コントに捧げた内村光良の怒り』『1989年のテレビっ子』『全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方』などの著者であるライター・てれびのスキマ(戸部田 誠)さんはどのように見ているのか。てれびのスキマさんから見たナスDのすごさとは? 話をうかがった。

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▼ てれびのスキマ(戸部田 誠)

【プロフィール】ライター。テレビっ子。戸部田誠名義で著書に『タモリ学』『1989年のテレビっ子』『人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった』『笑福亭鶴瓶論』『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』『売れるには理由がある』などがある。

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【映像】まとめてイッキ見「ナスD大冒険TV」
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「全部あり」ナスDのすごさ よゐこ・濱口優を裏方で支えてきた男/てれびのスキマ(戸部田 誠)
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「俺をスターにしてくれた。アイツのおかげで、ヒーローになれた。この濱口優の半分をつくったのは、友寄やろうな」

「楽しいねん あいつとおったら」

(『陸海空 地球征服するなんて』よゐこ濱口VS破天荒ナスD 濱口からの挑戦状が!? 2017年12月9日放送より)

 お笑いコンビ・よゐこの濱口優がそう語る男こそ、「ナスD」という愛称で親しまれるテレビ朝日・友寄隆英氏だ。芸能人節約バトルで一躍子どもたちのスターになった濱口。その陰には裏方である友寄氏の姿が常にあった。出会いはお互い20代。二人の関係は20年にもおよび、現在は友寄氏の『ナスD大冒険TV』という冠番組がレギュラー放送されている。

 友寄氏が「ナスD」と呼ばれるようになったのは『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』(※『陸海空 地球征服するなんて』の旧番組タイトル)からだ。

 現地の人に勧められれば、ためらわずに何でも食い、勧められると何でもやってしまう。「美白にいい」と言われたウィトという果実を喜々として全身に塗ってしまう。

 勧めた現地人もそれを最初は笑って見ていたが、次第に引いてしまう。そして、1時間ほど経つと塗った部分がゾンビのようにナスのように青黒くなってしまったのだ。

「全部あり」ナスDのすごさ よゐこ・濱口優を裏方で支えてきた男/てれびのスキマ(戸部田 誠)
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「全部あり」ナスDのすごさ よゐこ・濱口優を裏方で支えてきた男/てれびのスキマ(戸部田 誠)
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「全部あり」ナスDのすごさ よゐこ・濱口優を裏方で支えてきた男/てれびのスキマ(戸部田 誠)
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 実はウィトは入れ墨をする際のインクなどに使うもの。つまり全身真っ黒の入れ墨を施してしまったのだ。番組では、ナスのような黒紫色に見えたことから「ナスD」と呼ばれることに。いわば、ここからナスDの大冒険は始まったのだ。

 現地の人の冗談を真に受け、取り返しの付かないことになったナスD。もうそこからは一挙手一投足が面白くてたまらない。「会社をクビにならないか」と焦る一方で「これで一生生きていくとしても、僕はこれを背負って行こうと思います」「第二の人生のスタートです」と、いたってポジティブだった。

 この頃を振り返り、友寄氏は「良かったな、人生のなかで真っ黒な時があって」と日記につづっている。「全部ありなんや」と友寄氏は言うのだ。

「ホンマは毎日恥ずかしかった。黒になって良かったことってあんのかなと思ったら、黒の期間にいつもよりがんばった、ちょっと。黒くなってる分だけ、信用されなきゃいけないし、あいさつもいっぱいするし。黒の分だけがんばったと思う」

(『陸海空 地球征服するなんて』2017年10月14日放送より)

 冒頭の濱口の言葉は『いきなり!黄金伝説。』を振り返って語っていたものだ。友寄氏は『いきなり!黄金伝説。』に最初はディレクターとして参加し、プロデューサー、ゼネラルプロデューサーと昇格していった。

 一方のよゐこは『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)のレギュラーとして奮闘していたが、それ以外の番組では、なかなか活躍に恵まれていなかった。しかし、友寄氏は、濱口の「一ヶ月一万円生活」や「無人島0円生活」を裏方として支え、漁や料理、時には大工仕事などのサバイバル術を共に学んでいった。

 相方の有野晋哉も「濱口さんは、よゐこっていうシュールなコントをするお味噌汁やったはずが、ナスDと知り合って、“わんぱく”っていうキャラクターを継ぎ足された」(『よゐこの無人島0円生活2017』2017年12月29日放送より)と語っている。

「全部あり」ナスDのすごさ よゐこ・濱口優を裏方で支えてきた男/てれびのスキマ(戸部田 誠)
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 そんな裏方として一流の友寄氏だが、出る側としての自分をディレクター目線で見ると「普通の人」と自己評価している。

「1人5人分ぐらいやって、やっとテレビ出る資格あるかないかじゃないですか。1人5人分やって、命がけで死ぬギリギリじゃないと、見せる理由がない。そりゃそうでしょ。スタッフなんて」

「タレントは能力あるからタレントって言うんですよ。スタッフは普通の人やから。5人分ぐらいがんばって見せて、やっとギリ。漁もやる、大工もやる、料理もやる。全部見せる」

(『よゐこの無人島0円生活2017』2017年12月29日放送より)

 自分自身を厳しく見つめ、過剰なほど自分を追い込んでいく。常軌を逸する――その言葉を体現することで「全部あり」にしているのがナスDこと友寄隆英氏なのだ。

(Text:てれびのスキマ/戸部田 誠)

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