「NAVERまとめ」が突然の終了宣言、情報をまとめることの重要性はこれからも?元“職人”&夏野剛氏に聞く
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 1日に発表された「NAVERまとめ」の突然の終了宣言。ネットユーザーには驚きが拡がった。

・【映像】NAVERまとめ突然の終了宣言!元まとめ職人&夏野剛氏の見方は

 運営会社は公式ブログで「2020年9月30日をもちましてサービスを終了することになりました。サービス環境・市場環境変化による単独サービスとしての今後の成長性や、LINEグループ全体での選択と集中の観点などをふまえて検討した結果、今回の決断に至りました」と説明している。

 2009年にサービスを開始したNAVERまとめは、様々な情報を様々なサイトから集めて見やすくまとめることのできるサービスだ。数ある「キュレーションサービス」の草分け的存在で、気軽に時事ネタや流行り物を知ることができるとして人気を呼んでいた。今回の一報を受け、ネット上には「話題になってる面白ツイートとかよく見てた」「NAVERまとめで息抜きしていたことを思い出すと少し切ない」と惜しむ声も見られた。

■“元まとめ職人”「一つの時代が終わったんだなと」

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 また、作成者たちは、PV数など応じて報酬を得ることができ、中には月に数十万円を稼ぐ「まとめ職人」と呼ばれるも人たちもいたという。

 これまでに262本の記事を作成、過去に『ABEMA Prime』のレギュラーコメンテーターを務めていた鳴海淳義氏(BuzzFeed Japan記者)も「自分も5年ほど前まではヘビーユーザーで、インセンティブももらってきた。一つの時代が終わったんだなと、ちょっと寂しく思う。最近の広告市場の不調から、メディア事業全体がそれほど成長性の高い事業ではなくなってきている。非連続な、爆発的な成長が見込めないサービスを閉じて、また何か新しいことをやろうという動きはすごくいいことだと思うし、本業のアプリに集中するのだと思う」と話す。

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 「かつては『福岡で食べに行くお店10選』のような記事はネット上にほとんどなかった。それがNAVERまとめが出て以降、このようなリスト系の記事が一気に増えた。ある程度の知見のある人が人力で作らなければ出てこない情報という点で、意味のあるコンテンツが増えたと思う。キュレーションというムーブメントを作り、ユーザーを集めてページビューを生み、一定の収益も上げていた。メディアとして成功したと思う」。

 他方、キュレーションサービスには著作権侵害の問題も指摘されてきた。2016年にはDeNAが運用する医療情報サイト『WELQ』などで根拠のないまとめ記事や盗用があったことを指摘され、同様のサイトが数多く閉鎖、翌年2月にはGoogleが検索エンジンのアルゴリズムを変更、まとめサイトの表示順位が下がったとされる。

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 今回のニュースを受け、「検索すると上位に出てきて邪魔だった」「情報のまとめだけより専門性や一次情報が大切な時代になっている」といった反応も見られた。

 「2015年頃がピークだったと思うが、小さいものも含めれば、まとめサイトは数十はあったと思う。その中でもNAVERまとめは最大手だったが、やはり記事の中にも著作権に問題のあるものが含まれていたと思う。そして他のキュレーションサイト同様、検索の表示順位を下げられたことでアクセスする人が減り、まとめを作る人のうまみ(収益)も無くなっていった、ということではないか。また、著作権侵害についてはプロバイダ責任制限法によってまとめを作ったユーザーの責任にはなるが、パトロールなどの運用コストは大きな負担になっていたと思う」(鳴海氏)。

■「まとめる行為はいつの時代にも必要」

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 また、今回の発表には「NAVERまとめはサービス終了となりますが、簡潔に情報を集約して伝える『まとめ』そのものの価値は、日々増え続ける情報環境においてますます重要になってくると考えております」との一文もある。

 経産官僚時代からブロガーとして注目を集めていた宇佐美典也氏は「僕も“野良ブロガー”というか、まさに何もないところからブログを書き、ニュースサイトに載るなどしてメディアに取り上げられるようになった。PVを稼がないとのし上がれないということで、いけないと思いつつも炎上狙いの記事を書いたこともあった。しかし少なくともテキストについては、インターネットメディア側もちゃんとした記事を取り上げよう、きちんとスクリーニングされた、法的リスクのないものを取り上げようという方向になってきている」とコメント。

 鳴海氏は「そのようなものが今はYouTubeなど、動画に移ってきていると思う。いずれにしろ情報はどんどん増えていくので、ランキング化やリスト化など、集約して見やすくするという行為はいつの時代であっても必要だと思う」とした。

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 慶應大学特別招聘教授でドワンゴ社長の夏野剛氏は「初期のインターネットのサービスについては、ビジネスモデルがなくても面白ければ流行るという時代もあった。しかし20年くらいが経ち、ビジネスモデルのないものは去れ、ということになったのだと思う。NAVERまとめについても、著作権の問題があっても、お客さんが喜ぶようなものを作ろうというインターネット初期の文化があった。確かにすごく便利なものだし、引用元を明記していればいいという考え方もある。しかし、そういう文化が終わっていくというのは感慨深い。ただ、YouTubeにもいい加減なこと、根拠のないことを言っている芸能人もいる。状況は変わっていないと思う」と指摘。タレントの池澤あやかは「引用元が書かれているだけ、NAVERまとめの方がマシかもしれない」と話していた。

■夏野剛氏「余計なことをやっている余裕はないのだと思う」

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 さらに「NAVERまとめ」の公式ブログには「2019年、LINEは検索事業への参入を発表いたしました。NAVERまとめが培ってきたノウハウは、この新しい検索事業の発展に活かしてまいります」とも書かれている。

 この「検索事業」が、LINE上に存在するあらゆる情報の統合検索サービス「LINE Search」(去年7月~)だ。「人」「場所」に特化していて「検索ワードに関係しSNSで強い影響力を持つ有名投稿者を探せる『インフルエンサー検索』」「位置情報に基づき飲食店レビューなどを検索」という機能があるという。

 夏野氏は「LINE Pay事業も赤字だし、余計なことをやっている余裕はないのだと思う。PayPayのあるZホールディングスと一緒になるのだから、一刻も早くLINE Payはやめるべきだと思う。もともとLINEの親会社は韓国ナンバーワンの検索エンジンを提供しているNAVERだ。韓国で成功しているモデルをなんとか他の国でも成功させたいという中、キャッシュ・カウになっている日本の会社を通じて日本市場向けの実験をしたいという気持ちがあるのではないか。ただ、うまくいくとは思えない」との見方を示した。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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