思うように活動できない新型コロナウイルス感染拡大により外出自粛期間も、新たな刺激を求める探究心があれば、発見ある。将棋の久保利明九段(44)は、多くの対局が延期になる中、Twitterを使い始めた。「自粛期間にできることは何かないかなと思っていたんです」と始めたところ、これがファンに大好評。普段の対局は当然ながら、イベントやインタビューなどでもなかなか見られないユーモア溢れる投稿に「意外におもしろい人なんですねって言われたんです」と、自ら笑ってしまうほどだ。
久保九段がTwitterを始めたのは、プロ将棋界初の早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」がきっかけ。振り飛車党の菅井竜也八段(28)、今泉健司五段(45)と「チーム振り飛車」を結成。ファン向けに合同アカウントを開設した。「昔だったらチャリティイベントなどをやって、みんなに集まってもらっていたんですが、今年はそういう状況じゃないので」と、人が集まることができない現状で、ファンを楽しませるツールを使うきっかけを持ったことを素直に喜んだ。
いざ始めてみると、これがなかなか楽しい。“捌きのアーティスト”の異名を持つ久保九段が、Twitterでは結構な頻度でボケる。「関西の血が出ちゃうんですかね(笑)周りが真面目な人ばっかりだから、ちょっとボケないと」と、普通の投稿では満足できない自分がいる。
発信するだけでなく、見て楽しむことも覚えた。「他の棋士の投稿も見ますし、後は他の世界の人のものも見るようになりました。最近だと市川海老蔵さんとか。他の世界の方が、どうつぶやくのか興味があるんですよ」。将棋界は、理事が現役棋士なら、運営する連盟職員も将棋の世界で生きてきた人が多い。どうしても、近い仲間で集まりがちなところを、Twitterによって世界が広がったという感覚なのだろう。
トップ棋士12人が集まる「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の初戦では、同棋戦だけで過去5回の優勝を誇るレジェンド・羽生善治九段(49)に快勝。準々決勝に駒を進めた。Twitterでは「途中飛車が追い詰められた辺りは苦しいかなと思いましたが、再度飛車が活躍することになって、何とか勝つことが出来ました。次局もしっかり準備して戦いたいと思います」ときっちり報告。今後も久保九段が活躍するほど、ボケを含んだ楽しいTwitter生活が続いていく。
(ABEMA/将棋チャンネルより)