レジ袋有料化と「リサイクル」を考える ごみ問題の“自分ごと化”に若新雄純氏「捨てた後も付き合えるか」
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 「レジ袋有料化も大事だが、プラスチック容器リサイクル率向上に向けての取り組みはどうなのか?むしろこちらを強化すべきかと」

 レジ袋の有料化が1日から始まった中、ABEMAABEMAヒルズ』にTwitter上で寄せられた「リサイクル」に関する声。その実情はどうなっているのか、番組は調査した。

【映像】日本企業が“脱プラスチック”の動き

 スーパーやコンビニ店など小売店で配布されてきたレジ袋が、1日の午前0時から有料化された。有料となるのは、持ち手のあるプラスチック製の袋で、一部の大手スーパーなどではすでに実施されてきた。

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 一方、バイオマス素材の配合率が25%以上、海洋性分解プラスチック由来のレジ袋は有料化の対象外だ。しかし、国連環境計画(UNEP)は、この2つが「環境対策として目立った効果はない」「最悪の選択肢である可能性が高い」とする報告書をまとめた。小泉環境大臣はこうした指摘を認めた上で、「有料化をきっかけにプラスチックごみ問題について考えてもらいたい。レジ袋を辞退することが当たり前になる社会に変革することが目的」だとしている。

 では、プラスチックのリサイクルはどうなっているのか。環境省によると、日本におけるリサイクル率は24.8%。しかし、専門家によるとこれは国内だけでまかなえているものではないという。

 「日本の場合25%程度が材料リサイクルと言われているが、今までは中国に輸出してそこでリサイクルしてもらっていたものが半分以上を占める。全体からすると、日本国内で材料リサイクルが行われているのは10%もない状態だと思う」(国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 寺園淳副センター長)

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 そもそも、プラスチックのリサイクルは難しいのか。

 「物によるが、簡単ではない。プラスチックをリサイクルするのであれば、種類や色、品質の揃ったプラスチックを集めて、次のプラスチックに成形しなければいけない。そういった品質管理が難しく、特に日本の場合は品質管理がうるさいので、可能かもしれないが最初から再生プラスチックを受け入れないメーカーも多いと聞く」(同)

 しかし、プラスチックごみ削減は一人ひとりの意識改革も必要不可欠だ。慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、自分ごととして捉えるためには次のことが必要だと話す。

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 「僕らが生活する上で、ごみを出さないことはできない。それほど密接に関係するのに、これまでちゃんと『捨てたあと』について考えてこなかった。僕が小学生のころからもっと勉強するべきだと思っているのは、お金とごみ。いずれも人生に非常に深い関係を持っているのに、なんとなくしかわかっていない。ごみに関しては、『ちゃんとごみ箱に捨てるように』という指導は受けてきたが、捨てた後については関心を持ってこなかった。髪や爪と一緒で“体から落ちたら終わり”で、ごみ箱に捨ててしまえば付き合いが完結する。捨てた後のことを小さいころから考えていくしかないのでは」

 そのためには、ごみ処理場の見学などだけでなく、若新氏は自身のごみを“振り返る”機会を設けてみてはと提案。「自分が1週間生活して溜めたごみが、ごみ箱に入れた後どうなっているかは見たくないし、開けたくもない。しかし、それを開けるなり処理する人がいる。どう処理されるかに関心を向かせるためには、テレビの企画なら、例えば、“一番綺麗なごみの処理をしている女子アナは誰だ?”みたいに、見ないようにしてきたごみの『その後』に注目してみるのもいいのではないか。あえて言葉をつけるなら“美ゴミ”というか、捨てたら終わりではなく捨てた後も付き合えるか、関心を持ち続けられるかが大事だと思う」と述べた。

(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

※ABEMAヒルズでは「#アベヒル」で取材してほしいことなど随時募集中

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