去年、中国当局に拘束された香港のイギリス領事館の元職員が、日本メディアとして初めてANNの単独インタビューに答え、当時受けたとする拷問の詳細を語った。
「“虎の椅子”と呼ばれるものに拘束されました。お腹の前の棒に手錠が固定され、動けませんでした。こんな感じです」
こう話すのは、サイモン・チェン氏。チェン氏は去年8月に中国本土を訪問した後、「買春行為を行った」として公安当局に拘束された。公安当局は「チェン氏は犯罪事実をすべて認めた」としている。しかし、チェン氏はその際、香港の反政府デモにイギリスがどう関わったかについて執拗に問いただされ、顔面を平手打ちされるなど拷問を受けたと主張している。
「とても狭い空間で、動くこともできません。彼らはその状況を外から見ています。そして、彼らは尋問してくるのです。一連の政治的な質問を私にしてきました。例えば『どんな犯罪を犯したのか答えろ』と。しかし、私は何も悪いことはしていませんし、なぜ私はこのようなことをされているのかわかりませんでした」
チェン氏は2週間後に釈放され、6月末にイギリスで亡命が認められている。香港で反政府的な動きを取り締まる国家安全維持法が施行されたことで、チェン氏は自らに起きたようなことが今後さらに増えることを心配している。
「(国家安全維持法は)“一国二制度”の死刑宣告です。中国政府は何を言ってもよくなり、法律を自由に解釈できるようになる。香港のすべてを支配できるようになるのです」
また、チェン氏は海外に亡命した香港の民主派活動家らとともに、「影の議会」を創設する計画を明らかにした。海外から香港市民の意見を代弁していきたいということだ。
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