京都出身で、関西ベースで活動する岡崎体育。5月にメジャーアルバムデビューを控えている彼が先日超問題作「MUSIC VIDEO」のミュージックビデオ(MV)を公開したが、いきなり近年の退屈極まりない同じような手法で送り出されるMV映像に「もの申す」という斬新なアイデアで話題を集めている。

多くのJ-POPのPVで使っている手法を並べて「ミュージックビデオあるある」を歌詞で並べて歌っているだけだが、冒頭から「カメラ目線で歩きながら歌う」「急に横からメンバーが出てくる」「突然カメラを手でかくして次のカットで場所移動」とかなり多くのMVで使ってそうな手法からぶった斬り、「倍速」「スロー」「コマ撮り」「モノクロ映像」「淡い映像」「わざとざらついた映像」「無意味に分身」など安易なビデオ編集ソフトの標準絵エフェクトを断罪。

さらに女の子の出てくるMVにありがちな「泣かす」「踊らす」「音楽を聴かせる」「窓にもたれる」「倒れさせる」女性が主人公の歌詞のMVのありがちなテンプレートシーン、「二分割で男女を歩かせて最後に出会わせる」「仲いい人とかお世話になっている人を別撮りで歌わせる」「アナログテレビを何台から並べて砂漠を流す」など「手法として毎度みるけど実際意味有るの?」みたいな映像など。

余りにもあるある過ぎて、これからビデオクリエイターが同じ手法を使うのを躊躇させるという意味でも「ビデオ作家殺し」過ぎる内容だ。

確かにここ20年くらい散々見てきた手法の数々で、見る側もさほど重要視してなかったし興味のない曲に関しては「割りとどうでもいい」かもしれないが、自分の好きなアーティストMVも意外に「このパターンあったな・・・」と思い始めるとショックを受けることも多いだろう。

ネット上でも岡崎体育の「MUSIC VIDEO」は話題になっており、映像クリエイターは今同じようなMVを投入するともれなく「ダサい」というレッテルを貼られてしまうという意味ではかなり罪深い曲。繊細過ぎる作家さんは今頃禁じ手が多すぎて悶々と過ごしているかもしれない。