7月18日に後楽園ホールでの「有観客興行」再開を控えたプロレスリング・ノアが、12日に無観客スタジオマッチ『NOAH NEW HOPE』第4弾を開催した。
このシリーズは、タイトル通りノアの新世代エースである清宮海斗を中心とするもの。5日の大会では、清宮と元WRESTLE-1王者の稲葉大樹がシングルマッチで対戦。お互いの得意技であるタイガースープレックスの打ち合いを制し、清宮がフォール勝ちを収めている。
この試合で「思いのたけを受け止めてもらった」という稲葉は、その場で清宮にタッグ結成を求めた。曰く「隣にいて吸収できるものは吸収したい」。W-1でチャンピオンだったというプライドは捨て、ゼロからやり直すという思いもあった。
この意気込みを清宮が受け止め、さっそくタッグでの出陣が決まった。対戦したのは新ユニット「フルスロットル」の小峠篤史と吉岡世起。ジュニアヘビー級だが、ここで“元王者コンビ”を食えば一気に上昇気流に乗ることになる。しかも吉岡も元W-1。稲葉にとっても意識するものがあったはずだ。
(噛み合った動きで今後への期待感を高めた清宮と稲葉)
昨年大晦日に越境タッグを組んで以来の清宮と稲葉だったが、チームとしての動きに違和感はなかった。
「(タッグとしての)息はバッチリですね。動きが自然なので。ナチュラルにできる」」
試合後、そう語ったのは清宮。稲葉は「組んでいけば、さらによくなる気がします」。実際、本格的な連携や合体技を見せる場面こそなかったものの、呼吸や間合い、ここぞというところでのタイミングなどはしっかり合っていた。
フィニッシュとなったのは、稲葉戦に続いて2週連続で繰り出した清宮のタイガースープレックス。『NOAH NEW HOPE』はスタジオマッチのため通常より小さいサイズのリングが使用されている。そこで清宮は、コーナーの対角線上で投げている。そうすることでロープから遠ざかり、ブレイクになることなくフォールに持ち込めるわけだ。『NOAH NEW HOPE』の特色を活かした勝ち方と言ってもよく、このフィニッシュからも清宮の意欲がうかがえた。
『NOAH NEW HOPE』について「これで終わりにしたくない」と清宮。その一方で、いよいよ再開する有観客興行についても「こんなに嬉しいことはない」。
7.18後楽園では潮崎豪と組み、武藤敬司&丸藤正道と対戦。前回の対戦では武藤に圧倒されており、捲土重来という意味もある大事な闘いだ。清宮としては『NOAH NEW HOPE』での連勝で掴んだ勢いそのままに、後楽園決戦へと向かいたい。
写真/プロレスリング・ノア