将棋の最年少棋士・藤井聡太七段が、7月16日に行われたヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局で勝利、シリーズ成績3勝1敗で、従来の記録を30年ぶりに更新する史上最年少でのタイトル獲得に成功した。同日から藤井七段は「藤井棋聖」となり、史上初の17歳タイトルホルダーに。元祖・天才棋士で、“ひふみん”の愛称でも呼ばれる加藤一二三九段も、この快挙に「秀才から天才になった」「これからもどんどん強くなる」と大絶賛した。
今回、新記録が生まれたのは将棋界にある8大タイトルの1つ、棋聖戦でのこと。渡辺明棋聖(棋王・王将)は、最多の三冠ということもあり“現役最強”とも呼ばれるトップ棋士だった。その強敵を打ち破っての初タイトル獲得。加藤九段も「(五番勝負を)全部見守っていました。私は藤井さんを秀才と呼んでいましたが、天才に改めました」と、ベタ褒めした。
この五番勝負の中では、藤井棋聖が他のトップ棋士を驚かせるような手を指したことでも話題になった。第2局で指した「3一銀」という守りの一手は、解説していた棋士たちも予想できなかったもの。さらに将棋AI「水匠2」でも、4億手まで読み込んだ時には1~5番目までの候補手に挙がらなかったのに、6億手まで読み込んだところ、突然最善手として浮上したことで、「AI超え」としても注目された。
藤井棋聖と同じく14歳でプロデビューを果たした加藤九段も、同じように“天才”だが、破竹の勢いで勝ち続ける若者について「藤井さんの将棋を見ていると感性が違う。こういう戦い方をすれば『自分が勝つよね』という大局観、感性があるんです」と高く評価。2016年12月のデビュー戦で対戦した当時の思い出も振り返り「私がカマンベールチーズを食べる仕草がかわいらしいと言っていたことを知って仰天した。大先輩と戦ったら緊張するのに、余裕があるんだと思います」というエピソードも紹介した。
晴れてタイトル保持者となった藤井棋聖は今後、他のタイトルホルダー以外の棋士であれば、たとえ大先輩であっても、対局時には上座に着く。また、現タイトル保持者として来期はもれなく番勝負にも出場。対局料とともに、防衛すればまた賞金も入る。収入面でも、指折りのトップ棋士の仲間入りを果たす。今後の藤井棋聖について聞かれた加藤九段は「どんどん強くなっていくと思う。藤井さんは極めてユニークで、1日でも早く名人になりたいと言っている」と、最も伝統あるタイトル・名人を目指していると語った。
現在、王位戦七番勝負でも挑戦中の藤井棋聖。一気に二冠達成、さらには最年少での八段昇段を果たせば、再来した「藤井フィーバー」がさらに盛り上がる。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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