今回は「地区」についてお話します。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から選手の移動を最小限にするため、6月開催は「地区内あっせん」でした。7月から9月の開催に関しても「原則として開催競輪場の所在都道府県と近隣の選手を中心にあっせんする近隣交流で実施」ということなので、実質「地区内あっせん」に近い状況です。
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そこで「地区」を整理しておきましょう。競輪選手は都道府県別に登録されています。それら都道府県は東日本エリアと西日本エリアに大きく分けられ、さらに東日本エリアは北日本地区、関東地区、南関東地区。西日本エリアは中部地区、近畿地区、中国地区、四国地区、九州地区の計8地区に分けられています。
■東日本エリア
◆北日本地区
・北海道、青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島
※練習バンクは函館、青森、いわき平
◆関東地区
・茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、新潟、長野、山梨
※練習バンクは取手、宇都宮、前橋、大宮、西武園、京王閣、立川、弥彦
◆南関東地区
・千葉、神奈川、静岡
※練習バンクは松戸、千葉、川崎、平塚、小田原、伊東、静岡
■西日本エリア
◆中部地区
・愛知、富山、石川、岐阜、三重
※練習バンクは名古屋、豊橋、富山、岐阜、大垣、松坂、四日市
◆近畿地区
・福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
※練習バンクは福井、向日町、岸和田、奈良、和歌山
◆中国地区
・岡山、鳥取、広島、島根、山口
※練習バンクは玉野、広島、防府
◆四国地区
・香川、徳島、高知、愛媛
※練習バンクは高松、小松島、高知、松山
◆九州地区
・福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、鹿児島、宮崎、沖縄
※練習バンクは小倉、久留米、武雄、佐世保、別府、熊本
新潟、長野、山梨が関東に含まれていたり、静岡が南関東に含まれていたり、一般的な区分けと異なるところもあるので注意しましょう。
競輪はラインを組んで走る競技です。先行選手がどのタイミングで仕掛けるのか、どのくらいの脚力があるのか、番手の選手は捲りやカマシに来る選手をちゃんとブロックしてくれるのか……などといったことは、普段から一緒に練習をしたり、ラインを組んだりしている選手同士のほうがわかりあえます。つまり同県>同地区>同エリアの順でラインの強さは変わってくるのです。
ちなみに日本競輪選手会の各支部に所属しなければならないのですが、支部がないところがいくつかあります。その場合、近隣の支部に所属します。支部のないところと代わりに所属する支部は主に以下のようになっています。
・岩手→青森支部
・秋田→青森支部
・山形→宮城支部
・長野→新潟支部
・山梨→新潟支部
・石川→富山支部
・滋賀→福井支部
・鳥取→岡山支部
・島根→広島支部
・宮崎→鹿児島支部
・沖縄→鹿児島支部
いつも一緒に練習している同支部は同県と考えていいので……。
・青森=岩手=秋田
・宮城=山形
・新潟=長野=山梨
・富山=石川
・福井=滋賀
・岡山=鳥取
・広島=島根
・鹿児島=宮崎=沖縄
と覚えておきましょう。
あと、地区内でも強めの組み合わせがあり、北日本なら北海道、青森、岩手、秋田が「北東北ライン」、宮城、山形、福島が「南東北ライン」と呼ばれていて、結束が強くなっています。
関東では栃木と茨城の「栃茨ライン」、埼玉と東京の「埼京ライン」、新潟と群馬の「上越ライン」、長野と山梨の「甲信ライン」。上越と甲信の計4県でも結束の固いラインを形成します。
西日本では中部と近畿の「中近ライン」や中国と四国の「中四国ライン」を組む場合があり、これらの結束力も悪くないです。
九州は佐賀と長崎の「西九州ライン」、福岡(小倉)と大分の「北九州ライン」、福岡(久留米)と熊本の「南九州ライン」というのを選手同士が意識しているというのも覚えておいて損はないでしょう。
「同地区あっせん」ではこういった細かい情報がラインの強さを分けてくるので、予想の要素のひとつに入れてみると競輪の面白みが増しますよ♪