プロの将棋界にいる171人の棋士(2020年7月27日現在)で、メガネをかけている棋士は実に多い。七冠独占・永世七冠・タイトル99期を誇る羽生善治九段(49)を筆頭に、日本将棋連盟の会長を務める佐藤康光九段(50)も着用。現役タイトルホルダーで言えば、最年少でタイトル獲得した藤井聡太棋聖(18)を除き、他の4人も全て“メガネ棋士”だ。顔の一部とも言われ、その人の印象を大きく左右するアイテムだからこそ、こだわりも強くなるというもの。若手実力者・増田康宏六段(22)の愛用メガネは、金額からしてなかなかのこだわりがわかるものだった。
最近ではメガネではなくコンタクトレンズの時もある増田六段。7月25日に行われたプロ将棋界初の早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」では、予選から変更してメガネ姿で登場した。名人3期の実力を誇る佐藤天彦九段(32)と大激戦の3局を披露したが、解説を務めた佐々木勇気七段(25)は、指し手だけでなくメガネの解説もきっちり始めた。
日頃から研究会でも顔を合わせる間柄でもあり、情報は確実だ。「本人が言っていいって言っていたんで言いますけどね」と前置きした上で「(値段が)高いんですよ。イチ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロぐらい。すごい高級なんです」と、1のあとに0を5つ、つまり10万円相当であると明かした。佐々木七段は「非メガネ派」。仲がいい「メガネ派」永瀬拓矢二冠(27)も研究仲間であることもあり、日頃から棋士のメガネについては興味があったという。
過去には永瀬二冠、佐々木七段、増田六段らで集まり研究会をしていたところで、メガネトークに発展したこともあった。「壊れてもいいように2個ぐらい持っているイメージ」と佐々木七段がたずねたところ、永瀬二冠・増田六段は「メガネなんて壊れない」と口を揃えたという。
棋士のおしゃれと言えば、対局中のスーツが最たるところで、タイトル戦ともなれば和服が注目されることもある。今後は、さりげないおしゃれポイントであるメガネも、ファンとしてはチェック項目に入れたいところだ。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで対局。全12チームが4つの予選リーグに分かれて戦い、各リーグ上位2位までが予選通過。決勝トーナメントは5本先取の9本勝負で行われ、勝ち越しが決定した時点で終了する。1チームは3人で、各棋士は1試合につき最低1局、最大3局の範囲で指す必要がある。対局者は各対局前に決定する。優勝賞金1000万円。
◆決勝トーナメント進出チーム
チーム渡辺、チーム永瀬、チーム康光、チーム三浦、チーム久保、チーム天彦、チーム広瀬、チーム糸谷
(ABEMA/将棋チャンネルより)