7月27日、都内のABEMA Towersにて記者会見が行われ、DDTプロレスリングとプロレスリング・ノア、またDDTの飲食事業部門DDTフーズの9月1日付での経営統合が発表された。

 今後は新会社CyberFightとして活動。社長はこれまで両団体の社長を務めてきた高木三四郎。副社長の丸藤正道も変わらず。ノアの武田有弘執行役員は取締役、またDDTフーズから彰人が新たに副社長となる。

 会見には上記の役員のほかDDT、ノアのチャンピオンと主要選手たちも出席(遠藤哲哉、クリス・ブルックス、潮崎豪、中島勝彦)。東京女子プロレスのシングル王者・坂崎ユカ、ガンバレ☆プロレス代表の大家健も顔を揃えた。

 プレスリリースによると「ウィズコロナ、アフターコロナ時代のプロレス経営を見据え」ての経営統合。「新時代のプロレス経営」を図ることになる。

 会見で高木社長は「団体がなくなったり、カラーが変わるということはありません」と強調。各団体は新会社の中で事業部という形で、これまで通り活動していくことになる。一方、動画配信や通販などはさらに充実していくことが期待できそうだ。

 もちろん、それぞれの団体をより大きくしていくという狙いは変わらない。「目標は業界ナンバーワン。東京ドーム大会も目指します」と高木。丸藤も「プロレス界のトップに」と意気込みを語るとともに「変わらず本物のプロレスを見せていく」と語った。「新日本に追いつけ追い越せ。その力になりたい」とは全日本プロレスからDDTにレンタル移籍してきた秋山だ。

 東京ドーム大会について、時期は未定だが「いろんな考え方がある」と高木。どこかの団体の単独興行か合同興行か、また無観客か有観客かなど、さまざまな可能性を考えているという。

 また注目されるのは新世代に属する彰人の副社長就任。これまでDDTフーズのバー「ドロップキック」で店長を務め、また女性客限定大会「BOYZ」のプロデューサーやグッズ企画の担当も。選手としてだけでなくクリエイターとしても期待されているだけに、今回の人事はファンならば納得だろう。

「若い選手と会社の橋渡しに。若い子には高木さんの世代にはないアイディアもあるので」と彰人。DDTとノア、さらに旧世代と新世代。男子と女子、名門とインディーの雄。そのシナジー効果は、さまざまな面で現れてきそうだ。