時に借金までして占いを頼り、トータルで3000万円近くを費やしてきたという大崎智代子さん(47)。成人式の帰りに占いに行ったのを機に、週に1回のペースで通うようになったという。仕事が多忙になり、人生に悩むようになった24歳ごろからは、毎晩「電話占い」をするようになる。料金は当時1分あたり100~300円程度、24時間の対応が可能だったころから、何かあるたびに「酸素ボンベのように」電話をかけていたという。
27歳で結婚した相手も、占い師に「この人が良い」と推薦された相手。しかし30歳で離婚すると、リミッターが外れ、“占い依存状態”になってしまった。「1~2時間喋っていると、あっという間に2~3万円が消えていく。それを毎日のようにやっていた。給料15万のときに、高名な占い師に5万円を払ったこともある」。
それは「占い」というよりも、悩み相談に近かったようだが、親しい友人ではダメだと感じていたという。「込み入った話になると、その友達の価値観で返ってくる。それが私に合わないと感じることも多かったし、どちらかと言えば自分というものを持っていなかったので、鵜呑みにして傷ついて、また占いに、ということを繰り返していた。それに気が付いてからは友達に話すのをやめて、“精神世界”のことが分かる人だけに話をするようになった」。
そして35歳の時にカウンセリング等へ通うようになり、“依存症”から回復。2年前、45歳で完全回復したという。
立命館大学のサトウタツヤ教授(心理学)は「日本は宗教の力が強くない反面、原因と結果を合理的に割り切るということもしない。良く言えば柔軟性、悪く言えば何でもありみたいなところもある。そして、多くの人が自分のことを自分で決定できる国だ。そういう中で、選択肢が多いと不安になる。例えば誰と付き合おうか、どういう職業にしようかと迷う。すると、何かにすがりたくなる。不安や緊張を解消するためのアドバイスが聞きたくなる。そういう意味で、日本は占いなどが増える土壌がある」と説明する。
「そして、不安や緊張の解消のためのアドバイスが聞きたかったはずなのに、いつしか解消すること自体が目的になってしまう。良いことを言ってくれる人と会うこと、たまに外れたり、嫌なことを言われたりすることも喜びや興奮に変わり、やめられない状態になっていく。それが依存という状況だと考えられる。占いにハマっていく理由で言えば、なんと言っても当たること。“待ち人きたる”“悪いことが起きる”といった占いに対し、後で“このことだったんだ!”となって信じてしまう。一方で、当たってばかりだとつまらなくなってしまうので、外れることもポイントだ。例えば、必ず勝つパチンコであれば依存しないということだ」。
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