「政治と文化は切り離して」「直接対話することでわかることもある」若い世代と考える、韓国との“付き合い方”は?
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 竹島の領有権を巡る問題や元徴用工問題など、解決の糸口が見えないまま悪化する日韓関係は、“岐路の8月”とも言われている。実際、外交世論調査(内閣府・2019年)の「韓国に対する親近感」を年代別に見ると、70歳以上では「親しみを感じない」が8割近くに達している。

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 その一方、若者世代では半数近くが「親しみを感じる」と答えており、文化面に目を向けると『愛の不時着』『梨泰院クラス』などのドラマ、映画がヒット。K-POPやファッション・コスメ、グルメなど、韓国発のものに日々親しんでいる。

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 韓国人の交際相手との日常を撮影した動画を投稿している日韓カップルYouTuberりんかさん(19)は、「お互いの国があまり仲良くないのは分かっているので、わざわざ政治の話をする必要はないかなって思っている。韓国を一種の“コンテンツ”として捉え、政治と切り離して触れてみることから初めるのが良いのかなと思う」と話す。

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 韓国ありぽんさんは「“冬ソナ”にハマった母親が韓国のテレビ番組を一日中観ていた」ことがきっかけで興味を懐き、今や韓国ビジネスにも関わっているという。「韓国人とは政治の話もするけど、“韓国人だから”“日本人だから”といった対立は経験したことがない」としつつも、「韓国を一種の“コンテンツ”として捉えて、文化と政治は切り離して体験していただくことが重要ではないかと思う」とした。

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 1988年のソウルオリンピックをきっかけに韓国に留学した経験を持つ韓国エンタメライターの桑畑優香氏は「私の頃は韓国で何が起きているのか分からなかったし、どんな人が住んでいるかも分からなかった。この30年でかなり変わってきたと思う。しかも、りんかさんは私生活を発信して、ありぽんさんはビジネス的な視点を発信している。そうしたものが見られるようになったという意味でも、日韓関係が普通になったと思う」と話す。

 一方、2012年ごろに“韓流ブーム”が下火になったことについては「李明博大統領が竹島に上陸したことをきっかけに、一気に日本のメディアからなくなってしまった。“ブームは終わった”みたいに取り上げられていたし、韓流マダムたちも“韓流好きだと言ってはいけないと家族に言われた”みたいな話まであった。ただ、テレビ局などを中心にした、“上から下へ”のブームだったのが、実は水面下ではじわじわ流行っていて、それがSNSで表面化したのが最近の第三次、第四次といわれるブームだ」と説明。

 その上で、「仲良くなった韓国の人が“日本のマスコミは偏向している”みたいなことを言い始めたので、私も“韓国のマスコミだって偏向している”と言い返し、焼肉屋さんで大げんかになったことがあった。でも、その友達は“オンニ(お姉さん)”って腕を組んできて、もっと仲良くなれた。飾らないで、思っていることをぶつけてみるのも一つの方法かもしれない」と話した。

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 K-POPがきっかけで韓国に興味を抱いたという國料大夢さん(鹿児島大学4年生)は、日韓の大学生による国際討論・交流プログラム「日韓学生フォーラム」の実行委員長を務める。1986年に始まったこのプログラムは「非政治、非営利、非宗教」を掲げ、両国の学生が毎年8月に約2週間、寝食を共にしながら理解を深める活動を続けてきた。新型コロナウイルスの影響で今年は初のオンライン開催となったが、日本の大学生11人、韓国の大学生15人が「Beyond The Wall」を合言葉に13日から交流を続けている。

 「学術的な交流と文化的な交流があるが、前者は政治や歴史、文化や経済などに分かれてディスカッションを行っている。例えば輸出管理もテーマになっている。SNSを見ると、すぐ“断交しろ”など過激な意見を書き込む人もいるが、すごく視野が狭いと正直思うし、全ての情報が正しいというわけでもないと思う。やはり直接対話することでメディアだけでは分からないこともわかってくる。この活動に参加したOB・OGの中には公的機関や民間企業、個人的な活動の中で韓国と関わっている方もたくさんいる。地道な活動だし、政治を変えるのは難しいかもしれないが、こうした交流が広がっていけば、日韓関係に良い影響を与えられる力になると信じている」。

 國料さんの話に、桑畑さんも「直接会いに行けなくても、オンラインで会うこともできる。若い方々がどんどん発信していけば、次の世代、次の世代…と、徐々に変わっていくのではないかと希望を持っている」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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