「“休み明けブルー”はみんなのもの」「実は大人もピリピリ」 臨床心理士が考えるコロナ時代の夏休み明け対策
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 新型コロナウイルスの影響による学習の遅れを取り戻そうと、夏休みを短縮してきょうから各地の公立小中学校で2学期が始まった。

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 子どもたちにとっても異例の“短い夏休み”。17日の『ABEMAヒルズ』では、コロナ時代の夏休み明け対策について明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏に聞いた。

 藤井氏はまず、今年は特に子どもの心と体の変化に敏感になるべきだとし、「リハビリは最低1週間、そもそも夏休みは十分ではない。不調の中、暑い夏の外出は危険であり、必要な場合は思い切って休もう」と推奨する。

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 「今年は特に変化が多い年。子どもも例外ではなく、心の変化だけでなく体の変化にも敏感になってほしい。『意識できないことや言葉にできないことは身体が語る』というが、不定愁訴といって、明確な原因が特定できないにもかかわらず、眠れない、食べられない、身体がだるい、やる気が出ない、楽しめない、気が晴れないといった時に、ちょっとした変化でもそれが大きな不調のサインになっていることもある。場合によってはリハビリ期間を長めに設定して、『休んでいいよ』と例年よりもハードルを低くして言ってあげることも大事だと思う」

 次に、「休み明けブルーはみんなのもの」だと指摘する。

 「体調を崩して1週間ぐらい休んだ後に学校に行きづらいというのは誰にでもあることで、この短い夏休みに仮に不調がなかったとしても“休み明けブルー”はあると思う。加えて、10代の自殺が例年夏休み明けに非常に増えるというデータが注目されるようになって久しいが、今年も例外ではない。もし夏休み明けに学校に行くのを渋ったり様子がおかしいということがあったら、それは休み期間で何か不調が起こったということではなく、夏休みにいろいろ考えて子どもたちに『行けない』という気づきが出てきたということ。『きちんと行きない』と言うのではなく、“夏休みを経て出てくるべきものが出てきた”と考えて、身近な大人として寄り添う対応を考えてほしい」

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 最後は、大人も自覚なく気が立っている可能性を理解し、「必要があれば子どもの社会を学校だけに絞らない」ことを促した。

 「例えば学校の先生たちも例年とは違う夏休み期間を過ごすことになる。全てが直接関係しているわけではないがTwitterでは、『#先生死ぬかも』が一時トレンド入りした。また、いい悪いかは別として、日本は履修主義にとらわれている部分がある。学校の先生も子どもたちの学習ペースを達成しなければならないという真面目な思考で動いている中で、場合によってはピリピリしたり、クラスのマネジメントがうまくいかないことがあるかもしれない。

 保護者も含めて自覚なくそういう状態になっている可能性があることを踏まえて子どもを見た時に、大人の価値観を押しつけ過ぎないようにしたほうがいいと思う。例えば、子どもにとっての社会は学校だけであることが多いが、それ以外にも習い事やいろいろなコミュニティーがあることを大人が理解していれば、家で学習したり、塾やフリースクールなど子どもに作ってあげられる社会は複数ある。そこは柔軟に考えてほしいと思う。大人も抱え込まず、みんなで子どもたちを見ていければ」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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