全英オープンで自己最高となる6位入賞を果たした上田桃子。そんな彼女が見せた、最終日14番PAR3ティーショットでのコーチとのやりとりがネット上で話題となった。
1打目を打った上田桃子は、打った瞬間に「しまった」とでも言いたそうな表情を見せた。ところが運良くワンオンを果たすと、一転して驚きを隠せない表情に。キャディーを務める辻村コーチが上田の頭をコツン叩くシーンが微笑ましく、印象的だった。
このホールが、上田桃子の全英オープン全体の好調さを象徴している。通常であればミスショット、1ヤードずれればバンカーに入っていたはずのティーショットがワンオン。実力だけでなく、運をも味方にしているといえるホールである。このシーンに今大会を放送したABEMAの実況席からは「ミスが許容範囲に収まっているときは調子がいい」とのコメントが聞かれた。
上田桃子の最終日は、4バーディーノーボギーと2位タイの好スコア。2日目17番ホールで見せたロングパットでのバーディーにはスタジオ、視聴者ともに沸き立った。
好成績を残せた理由は、運だけではない。上田は全英オープンに10度出場しており、リンクスコースには慣れていたことも理由に挙げられるだろう。初日と2日目の強風や雨に悩まされ、ミスショットも見られたが、3日目、最終日は一転順調にスコアを伸ばした。
その一因が、風への対処法。2日目までは風に乗せるショットを打っていたが、2日目は風とけんかするショットで、曲がり幅を抑える戦法をとったのだ。まさに「戦いながらの成長」である。
最終日は、2番3番4番の連続バーディーでは、興奮も最高潮に。さらに8番ホールでも、パットを決めてバーディー。前半だけで4バーディーと絶好調。
後半では、16番17番と3メートルパットを連続で外しバーディーチャンスを逃すも、18番で崩れることなくパーセーブ。本人曰く、集中力を維持し続けたという。予選を通過してからは、毎日車の中で腹痛をうったえていた。それほどのプレッシャーと戦いながらも高い集中力を保てた理由の1つが、故郷熊本へのエール。豪雨被害が出た熊本人に伝えたいという思いで全英に臨んでいた。
34歳、技術だけでなく経験も積み重なり、今後の活躍が期待される。今シーズンの残りのツアーでの躍進が楽しみだ。
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