8月23日に開催された「RISE141」の第一試合は、壮絶な殴り合い、ダウンの応酬の末に大逆転劇で幕を閉じた。3ラウンド序盤に見られたスタンディングダウンの場面では、レフェリーのジャッジを巡ってファンの意見が割れるほどの大熱戦となった。
久保田有哉と野口紘志の対戦は、オープニングマッチを飾るに相応しい一戦だった。デビュー戦となった野口が劣勢のなか、なりふり構わずにパンチを振るって大逆転を演じてみせた。
1ラウンド、ゴング開始と共に野口がアグレッシブに攻め、コーナーに追い詰めるとボディやヒザを打ち込んだ。しかし、次第に久保田がパンチの連打など効果的な打撃で形勢を逆転すると、右ストレートを一閃してダウンを奪う。立ち上がった野口だが、ダメージは確実に残っている様子。左フックで反撃するも力なく、久保田の蹴り、ボディ、ヒザなどを立て続けに受けて防戦一方となった。
2ラウンドに入ると久保田が仕留めにかかる。野口ががむしゃらにオーバーハンド気味の左右フックを振り回して抵抗するが、至近距離の打ち合いでパンチ、ヒザなどをことごとく貰いサンドバッグ状態。久保田はローブローを貰うアクシデントをものともせず、さらにハイキック、パンチの連打を繰り出すなど、誰の目にも野口の敗色は濃厚だった。
しかし、2ラウンド終了間際に野口が放った1発のパンチが、大逆転劇の引き金となる。これまでデタラメに振り回してきたかのように見えた左フックが、ついに久保田を捉えた。
残り20秒、ロープ際で左右をスウィングするように振り回す野口のパンチが的確に当たりはじめる。1発、2発…5、6発と固め打ちをし、渾身の左フックでついに久保田がダウン。まさかの大逆転にネットからは「逆転」「まじかよ」「効いてるな」「気持ちで倒したな」などの声が上がり、予期せぬ展開に騒然。ABEMAで解説を務めたRISEライト級2位の直樹からは「(続行)できないのでは?」との指摘もあったが、かろうじて立ち上がった久保田はゴングに救わる格好となった。
インターバルの間にダメージを回復できなかった久保田は、3ラウンド開始直後に野口のワンツーを被弾。ここでレフェリーが素早く割って入り、立ったままダウンを宣告すると、レフェリーの咄嗟の判断に「レフェリーナイス判断」「今のは正しい判断」と支持する声が大勢を占めたが、試合を続行したことについては、久保田のダメージを心配するファンから「無理だって」「止めてあげて」といった声も。それほどに激しい打撃の応酬だった。
その後も激しく打ち合う両者。勝負を焦ったか、大振りが目立ち両者のパンチは空を切り続けたが、野口の強烈な左が当たり、久保田が崩れ落ちるとレフェリーが試合を止めた。このラウンドだけで2度目のダウン、試合タイムは3ラウンド22秒だった。
1ラウンドでダウンを喫し、敗戦濃厚な状況からの大逆転勝利。デビュー戦でインパクトを残した野口に対してネットからは「デビューでこれはすごい」「野口男だな」など、称賛の声が多く寄せられていた。