「雅子さまや紀子さまを見て、皇室にお嫁入りしてくれる人が本当にいるだろうかという問題もあるし、結婚したはいいけど、男の子を産めっていうすごいプレッシャーがかかってくる」「男の子がいなくなるという可能性は、もう確率的にあるんだと思う。男の子がいなくなった時には、もうしょうがないから愛子さまから順番に、その女性の皇室のお子さまを天皇にしていくということを考えるというのが一つある」。
・【映像】河野大臣が"女系天皇"容認論なぜ今言及?「国民の意見も考えて、もう一度真剣に早い段階で考えて」
23日、自身のYouTubeチャンネルで皇室の継承問題に言及、「男系での皇位継承が一番望ましい」としつつ、“女系天皇容認”のスタンスを示した河野太郎防衛大臣。
現行の皇室典範では、皇位継承資格があるのは男系男子と定められている。つまり、皇嗣(皇位継承順位1位)の秋篠宮さま(54)、その長男で2位の悠仁さま(13)、そして上皇様の弟で3位の常陸宮さま(84)の3人だけなのが現実だ。
河野大臣はこのことを踏まえ、「例えば内親王が女性宮家として皇室に残られ、そのお子様が皇位を継承するというややり方、あるいは旧宮家の男子を宮家に復活させるのか、養子に入れるのか、二つの選択肢を考える必要がある」と指摘。25日の会見でも、改めて「なるべく早い段階で、この皇位継承問題を国民の皆さんに直面している皇統の危機としてご理解を頂いて、万が一の時にどうするのか考えていただくというのは必要なのではないか」と訴えたのだ。
■近重幸哉氏「今や国民の8割は女系天皇、女性天皇、女性宮家を容認」
こうした議論は、これまでも繰り返し政府内で議論されてきた。小泉政権下の2005年には「皇室典範に関する有識者会議」が報告書で女性・女系天皇の容認に踏み込んだものの、翌年に悠仁さまが誕生されたことで議論が停滞。歴史上、“女性天皇”は推古天皇(33代)や持統天皇(41代)などの8人が存在しているものの、“女系天皇”はいなかったため反対の声も根強く、安倍政権では女系継承に慎重な姿勢を示してきた。
そんな中での閣僚かつ“ポスト安倍”の一人と目される人物の発言。各所で記者からの質問が相次ぎ、菅官房長官は「男系継承が古来例外なく維持されていることの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行っていく必要があると思う」とコメントしている。
皇室ジャーナリストの近重幸哉氏は「安倍総理が体調を崩され、“次は誰に”という流れのある状況の中での発言だったので、将来の政権を考えた上で、という意図もあったのかもしれない。しかし皇位継承の問題は上皇陛下の時代からずっと言われてきたのに、今日まで止まったままで来てしまっている。小泉さんの時には男女問わず最初に生まれたお子さまで、という“嫡子優先“の形を整えたが、悠仁さまがお生まれになると、“男系が繋がる”として立ち消えになってしまった」と話す。
「しかし、その先についての不安は全く拭えていない。悠仁さまお一人では、万が一のことがあった場合にどうするのか、ということになる。愛子さまも12月には19歳になられるし、眞子さま、佳子さまが結婚なさるのではないかという話も聞こえてくる状況だ。本当にもう待てない状況まで来ているので、一刻も早く決定しておく必要があると思う。河野さんがおっしゃるように、女系天皇も認め、上皇ご夫妻の流れである愛子さま、そして眞子さま、佳子さままでを認めてもいいのではないか」。
その上で近重氏は「ご家族の問題なので、本来であれば皇室の方々にお気持ち、お考えを述べて頂いた方がいいと思われるかもしれないがが、それが政治的な発言につながってしまう可能性を考えると、やはり難しい。与党の方たちには男系男子が必要だという方が多いが、今や国民の8割は女系天皇、女性天皇、女性宮家を容認している。表立ってではない形でお話を聞き、周囲の方々の意見も踏まえ、皇室の将来についてみんなで考えていく必要があると思う」と話した。
■佐々木俊尚氏「いかにして政治利用の可能性を排除するか」
ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「明治維新の時、大政奉還、王政復古によって再び天皇という存在が国のトップに戻ってきた。一方、日本の歴史はずっと天皇の政治利用が問題になってきた。だから明治の元勲たちは、天皇がいかに政治利用されないかを考え、生前譲位もさせないようにした。配偶者による介入の危険性を考え、女性天皇も認めなかった。そうしたことが今も続いているということを認識しておいた方が良い。女系天皇にしていないのは“血脈”が理由だが、今の時代、僕は女性天皇でも、宮家復活でも構わない。ただ、“本人が決めればいい”というのもまた政治利用になってしまう可能性がある。上皇陛下の在位中、“安倍政権にやや反対だ”みたいな話が出てきたことがあるが、たちどころに“朝敵安倍”などと恐ろしいことを言う人が出てきた。やはり旧宮家を復活させ、“こういう血脈だから、次はこの方、その次はこの方”と、皇位継承順位をガチガチに決め、そこから一切逸脱させないようにしない限り、政治利用の可能性は常に出てくる。それをいかに排除するかを考え、その上で皇室の方々には申し訳ないが、粛々と日本の象徴として継承していただくということをお願いするしかないのではないか」と指摘。
その一方、「国民の間での議論はまとまりようがないと思う。それはタブーを孕んでいるからだ。NHKが報道して話題になったが、過去400年、側室の子でなかったのは江戸時代初期の明正天皇と昭和天皇、そして上皇陛下、今上陛下しかいないという事実がある。父親の血を継いでいるという意味では、別に側室でも構わない。しかし、それでもいいから伝統に立ち返るんだという主張は、我々が生きている近代社会においては矛盾やイメージの逸脱を生じさせることになる。近代のロマンチシズムに基づけば、側室制度で成立している天皇制なんかおかしいじゃないかという議論も成立するわけで、やはり意見は一致しようがないと思う」とも話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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