「安倍さんは後継者を絞りきれてはいないのでは」「秋の解散総選挙も睨んだ総裁選になる」辞任会見、“ポスト安倍”争いをどう見る?
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 急転直下の安倍総理の辞任会見。安倍総理を間近で取材してきた記者、ジャーナリストは今回の動きをどのように見てきたのだろうか。

・【映像】安倍総理の辞任表明、各政党、議員の反応は…

「安倍さんは後継者を絞りきれてはいないのでは」「秋の解散総選挙も睨んだ総裁選になる」辞任会見、“ポスト安倍”争いをどう見る?
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 まず、テレビ朝日政治部の官邸キャップ・吉野真太郎記者は「8月に入ってから急に“調子悪いな”と思い始めた。特に広島・長崎を訪問したあたりから声がかすれ、表情も暗く見えたので、正直、“あれっ?”と思った。そして17日に病院に行ったあたりからは永田町でも進退が取り沙汰された。官邸から発信される情報は“定期検診の続きだ”ということとだったが、おかしいぞ。悪化したのかなと怪しんではいた。それでも、さすがに辞めることはないんじゃないか、と思っていた」と明かす。

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 「13年前に退した時は、前日に当時の麻生幹事長や公明党の太田代表に表で会っていた。今回も、昨日は二階幹事長や山口代表に会うという日程はなかったが、最近では年配の方もスマホを持っているし、二階さんに伝わっていなかったとは思えない。情報を総合すると、おそらく二階さんは知っていたと思う。一方、安倍さんからすると、前回“放り出した”と批判されたことを今も悔やんでいて、今回も同じ批判をされるのは何としても避けたったのだと思う。辞める意思を固めたのは数日前だが、感づかれて大騒ぎにならないよう、コロナの対応を進めるだけ進めておいて、今日の発表にしたのだと思う」。

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 焦点となる“ポスト安倍”候補については、「安倍総理の“意中の人“については、正直なところわからない。これまで巷間言われてきたように、岸田さん推しなのかな、というのは取材していて感じたこともある。その一方、周辺に“今ひとつ突き抜けてくれないな、ネクストバッターズサークルでの素振りの音も聞こえてこない”とも漏らしていたので、悩ましいという思いもあると思う。しかも一連のコロナ対応でも存在感があったとは言えない。実は絞りきれていないのではないかとも思う」とした。

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 安倍総理とも親交のある元産経新聞政治部長の政治ジャーナリスト・石橋文登氏は、「月曜日の時点では自信を持って“体調での辞任はない”と断言していたので、月曜に決めたと聞いて驚いた。今井秘書官がどうだったかはわからないが、おそらく、周りを全て騙していたのだと思う。13年前に懲りているから、麻生さんに言ったのも今日の閣議後だと思う。そうしないと、絶対に広まるから。二階さんにも自分で直接伝えるまで一切情報を漏らさなかったというのはなかなか老獪だなと思う」と苦笑する。

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「会見では“悩みに悩んだ”と言っていたが、おそらく政治日程を考えて、辞めるなら8月末しかないなということは考えていたと思う。サミットが無くなり、国連総会もテレビ会議になったから、そこで総裁選をやり、新しい内閣を発足させることができるチャンスだからだ。そして安倍さんとしては、自分が8年間かけて苦労して敷いた外交・安全保障の路線を踏みにじられる可能性のある石破さん以外の人がいい。2007年、次は麻生さんにやってほしかったのに、一番嫌いな福田さんになってしまった、その苦い思いもあったと思う。今回も、もし2カ月くらいかかる正規の総裁選をしていたら石破さんになってしまうかもしれない。だから議員票だけでほぼ決まる簡易型にしたい。安倍さんがそういうことを考えていないわけがない」。

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 さらに「憲法改正をするにしても解散総選挙を打たないといけないし、去年の10月辺りからタイミングを探っていた。しかいコロナが出てきて、自分の体調も悪化した。これで衆院選できるのか、相当悩んだと思う。仮に任期満了までやったとしたら、来年9月には総裁選があるが、翌月にはすぐに衆院選だ。そうなると、総裁選がポピュリズム、人気投票になって自民党が分解する原因になる。それも避けたい。一方、今度の総裁は任期が1年間しかないので、それまでに支持率は下がっていくかもしれない。それなら総裁選直後に新しい総理で派手にぶち上げて、自民党の支持率は高いうちに解散総選挙を打ったほうが良い。つまり、これから始まる総裁選は、この秋の解散総選挙も睨んだ総裁選になると思う。ただ、安全保障環境が厳しくなる中、いきなり外交デビューになる次の総理は辛いと思う」との見方を示した。

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 また、今後の安倍総理の動きについては、安倍さんの所属する清和政策研究会(細田派)は、自民党の最大派閥だ。しかも細田さんは“別荘の管理人”みたいになっていて、事実上のリーダーは安倍さんだ。森さんや福田さんの清和研を引き継いだようにも見えるが、自分の子分をしっかり作ってきている。今日の会見では“次の総裁を自分で指名することはしない”と言っていたが、安倍さんの意向を細田派が汲めば、それだけで議員票400票のうち100票だ。その意味でも、安倍さんは党内で非常に力を持っている。今後もその意向は非常に今後も働くだろう。逆に言えば、二階さんにも菅さんにも石破さんにも子分がいるが、岸田さんは宏池会(岸田派)を育てたわけではない。自分が育てた手兵と生き残ってきた議員が強いのが自民党の世界だ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

安倍総理の辞任表明、各政党、議員の反応は…
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