タップした選手が完全に落ちるまで試合を止めなかったレフェリーの対応に、ネット上で批判の声が相次いでいる。
8月28日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship『ONE「A NEW BREED」』。ドレックス・ザンボアンガ(フィリピン)とデッチャディン・ソンシリスッパティン(タイ)の一戦で問題のシーンは起こった。
1ラウンド、大柄なサンボアンガの長いリーチを活かした打撃に対し、ソンシリスッパティンが低い弾道のフックで応戦。お互い気の強さが際立つ立ち上がりとなった。ラウンド後半、ソンシリスッパティンがテイクダウンに成功するが、決め手を欠いたまま1ラウンドは終了。
2ラウンド、リーチで勝るサンボアンガが打撃のラッシュをみせる。遠距離からのパンチと強烈なヒザ。その後も続いた打撃戦から一転、サンボアンガが寝技での勝負を選択すると、試合終了20秒前に2度目のテイクダウンからバックチョークへ。
サンボアンガの長い腕がガッチリと相手の首にまとわりつく。ソンシリスッパティンが2度、右手でタップをするも、目の前で目視したはずのレフェリーがこれをスルー。直後、ソンシリスッパティンの右腕がダラリと力を失って失神したところで、ようやくレフェリーがゴングを要求して試合を止めた。
このタップに至るまでのニック・チャップマン・レフェリーの対応について、ABEMAで解説を務めた大沢ケンジは「このレフェリー止めるのが遅いですね」と苦言。別アングルからのスロー映像を見ると、チョークで絞められたソンシリスッパティンがタップしているものの、完全に落ちるまで様子を見るレフェリーの姿が。
実はこの日、チャップマン・レフェリーは第1試合でも、ローキックで足を痛めて戦意喪失した選手を2ラウンドにわたり放置。「試合を止めないレフェリー」として話題になったばかりだった。
相次いだ不可解かつ一歩間違えば危険なレフェリングに「レフェリー失格」「落ちてるって」「落ちてから止めるって…」とネットも騒然。いつもは軽妙なトークが持ち味の大沢も「ダメですよ、このレフェリー」と不快感を露わにしていた。