“規制緩和”なら死者大幅増の予想も 「現状はブレーキ踏むことができる」「“第◯波”は本質的ではない」
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 東京都は10日の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で、都の感染状況の警戒レベルを1つ引き下げ「感染の再拡大に警戒が必要であると思われる」とした。小池都知事は、東京23区の飲食店等への営業時短要請を15日で終了するとし、「一定の抑制効果があった」と述べた。

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 また、政府は「GoToトラベル」の対象に、10月1日から東京も加える方針だ。こうした緩和の動きについて、政治学者で東京都立大学法学部准教授の佐藤信氏は「都のモニタリング指標は感染状況と医療体制の2本立て。溢れる水(感染状況)は少しずつ減っていて、受け皿(医療体制)は増えている。どちらも下向きになっているので、経済も傷んでいるこのタイミングでアクセルをかけるのは適切な管理。ただし、どのタイミングでブレーキやアクセルを踏むのか客観的な基準が示されていないのは問題だ」との見方を示す。

 そんな中、米ワシントン大学の研究で、新型コロナウイルスによる全世界の死者数の予測が発表された。10日までの世界の死者数は90万5181人だが、来年1月1日には約280人と3倍になると予測している。また、日本の死者数は10日までで1429人だが、来年1月10日には、現状維持の場合は12万514人、規制を緩めた場合は28万7635人にまでのぼるとしている。

“規制緩和”なら死者大幅増の予想も 「現状はブレーキ踏むことができる」「“第◯波”は本質的ではない」
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 この「規制を緩める」とは、ソーシャルディスタンスなどをやめ何も対策をしない場合という極端な例だというが、佐藤氏は「“現状維持の場合”というのも、規制を緩めていく前提で死者が増えてきた時にストップをかけるというもの。日本の現状を考えると(“規制を緩めた場合”はもちろん)“現状維持の場合”の12万人も全く当てはまらない状況だ」と指摘。「GoToトラベルや大規模イベントの緩和など少し冒険的だが、現状は何かが生じればブレーキを踏むことができるコントロールの範囲内」という見方を示した。

 佐藤氏は「今度こそ第2波」と繰り返す論調にも警鐘を鳴らす。「元々は中国からの“第1波”、欧州からの“第2波”と呼んでいた。(日本への衝撃でいえば)今は3月からの波が今も続いていて、感染者の波はそれをコントロールするなかで生じているに過ぎない。その波と“第3波”とは分けて考えなければならない。“第3波”があるとすれば、それは国内での対人接触や海外からの入国が以前のように緩和される場合で、そうすると (先ほどの予測の)“現状維持の場合”に当たってしまうかもしれない。この“第3波”が生じないようにうまくバランスを取ることが求められる」とした。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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