北方領土問題や東アジア情勢など、外交問題に取り組む手腕は未知数だとの評価もある菅新総裁。12日に行われた日本記者クラブ主催の討論会で、「会談に同席するということと相手のトップと交渉するということは別の話だ」と指摘されると、「同席をしていたから何もやっていないという発言だが、国としての判断をする。そうしたことにはすべて関わってきている」と反論する場面も見られた。
無派閥の菅新総裁を支えてきた“菅グループ”の中核をなすといわれる「ガネーシャの会」メンバーで、経済産業副大臣の牧原秀樹衆議院議員は「各国のリーダーたちからも、あっという間に信頼を得てしまうと思う。ただ、外交というのは一瞬でできるものではない。これまでも往々にして“総理特使”が派遣されることがあったように、健康状態次第ではあるが、豊富な外交人脈や実力を持つ安倍総理が菅新総理を支えることで、かなり盤石な外交体制ができるのではないか」と話す。
菅新総裁の番記者をしていた経験もある、テレビ朝日中国総局長の千々岩森生記者は日中関係の今後について「トランプ政権が中国にも日本にも圧力をかけ、安全保障だけでなくて、いわゆる国際的なサプライチェーンからも中国を外そうとしている。『環球時報』が“日本からの投資が離れていくのではないか”と非常に心配しているように、中国における経済成長は、中国共産党の求心力に直結する話だ。だからこそ、菅さんの手腕を気にしていると思う。総裁選やその後の会見をネットで生中継するなど、中国メディアも非常に動向を気にしている。また、安倍総理の辞任会見直後に、中国側の政府関係者から“次は誰になるのか。日本の外交はどうなるのか”と聞かれることがあった。1週間ほど前に出た外交関係の専門誌も、“安倍時代”として9ページにわたって特集している。それほど中国にとってはインパクトのある政権だったと思うし、後半にかけては日中関係も良くなってきたので、菅さんが安倍路線を継続することはウェルカムだと思う」と話した。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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