「ボールはともだち」湘南の“ドリブル小僧”が見せたスーパーテクニックに感嘆の声
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 「ボールはともだち」。

 大人気サッカー漫画『キャプテン翼』で生まれた名言をほうふつとさせるスーパーテクニックが飛び出し、ネットから感嘆の声が上がっている。

【映像】ドリブル小僧の「スーパーテク3連発」

 このセリフはボールを怖がる森崎有三に向けて、主人公の大空翼が「こわくないよ」と伝える場面で生まれた名言として広く知られているが、現代では親友と遊ぶように、ボールと戯れるプレーをするテクニカルな選手に用いられる褒め言葉としても認知されている。そんな誰もが見入ってしまうスーパーテクニックで、話題となっている人物がいるのだ。

■テクニックは誰にも負けない湘南の“レイマール”

 華麗なテクニックで密かに話題となっているのは、湘南ベルマーレに所属する高溝黎磨(たかみぞ・れいま)26歳だ。

 2014年に下部組織であるP.S.T.C.LONDRINAに入団し、同年にはトップチームに昇格した。足元に吸い付くようなボールタッチとコントロール、キレのあるドリブルが武器で、早くから将来を嘱望されていた逸材。そのテクニックはブラジル代表FWネイマールを彷彿とさせることから“レイマール”と呼ばれて親しまれている。

 本家・ネイマールと同様にややムラっけのあるタイプだったが、近年は安定して高いパフォーマンスを発揮できるようになり、今シーズンは開幕から出色の出来を見せている。

 特にバサジィ大分との一戦では、解説を務める元日本代表の北原亘氏が思わず「うまい!」と漏らすほどのプレーを見せた。

 注目のシーンは第1ピリオド(前半)10分。湘南は自の深い位置から攻撃をスタートさせ、左サイドの高溝はボールをもらいに降りてきた。当然、相手はボールを受けさせまいと寄せてくるが、高溝はボールを浮かしてかわす“シャペウ”で、このディフェンスを一瞬で無効化する。

 さらに別のディフェンダーが寄せてくるとボールを晒しながら、うまく相手の逆をついて中央にカットイン。ややコントロールを誤るが、それでもボールを失うことはなく体勢を整えて再びドリブルを開始し、最終的には右サイドの深い位置まで運んでCKを獲得した。

 1人でピッチを横断してしまった高溝のプレーに北原氏は「素晴らしいですね。底辺から運びましたが、リスクがありながらも抜け出すとチャンスになりますからね」と称賛。視聴者のコメント欄にも「うまっ」、「いいぞ高溝!」、「さすがレイマール」と高溝を称える言葉が並んだ。

 また第2ピリオド(後半)12分にも見せ場が訪れる。ゴールラインを割って、湘南ボールで試合が再開となった場面で、高溝は左サイドの深い位置でGKからのスローを呼び込む。後ろ向きで走りながらもしっかりと胸でトラップ。相手GKが出てくる前に、ボールを触ってシュートまで持ち込んだ。

 惜しくもボールはゴールを外れてしまったが、ここでも北原氏は「(トラップを見て)うまい!(ボールコントロールを見て)うまい!」と興奮を隠せなかった。

 日頃はフットサル教室の先生を務め、子供たちから絶大な人気を誇る高溝。しかし一度ピッチに立てば、ゴリゴリのテクニックを披露するレイマールへと変身して人々を魅了してしまう。そんな彼の超絶テクニックをぜひ一度ご覧いただきたい。

文・川嶋正隆(SAL編集部)

写真/高橋学

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