IQレスラー・桜庭和志にまさかの死角…。10月4日に後楽園ホールで開催されたプロレスリング・ノアのシングルリーグ戦「N-1 VICTORY」で、征矢学が桜庭の変形アームロック地獄に悶絶するも、一瞬の隙を見逃さず全体重を預ける形で上になり、“まさかの3カウント”を奪取。終始優勢だった桜庭の予期せぬ敗戦に視聴者からは「それはないわ…」「とんだ弱点があったなぁ…」と驚きと落胆の声が寄せられた。
今回の「N-1 VICTORY」出場レスラーの中において、MMA仕込みのテクニックで違いを見せつけてきた桜庭は、ここまで2勝2敗。一方の征矢は、期待されながらも1勝3敗と負け越しが決定。両者優勝の可能性は無くなったものの、リーグ戦に爪痕を残したい両選手の対戦となった。
パワーの征矢とテクニックの桜庭とスタイルの異なる2人の対戦は、序盤から桜庭のペース。ロックアップで征矢とのパワーの差をまざまざと見せつけられた桜庭は、征矢の足に標準を絞りグラウンドの攻防へと誘い込む。征矢も寝技の素養はあるが、そこは総合格闘技の申し子、桜庭に一日の長がある。
寝技でアンクルホールドからサイドポジションへ動いてヒザ攻撃。さらに三角絞めへの引き込みなど、巧みな桜庭ワールドに持ち前のパワーを封じられた征矢の劣勢は続いた。
防戦一方の征矢は、三角絞めを持ち上げるなどパワーで対抗するが、桜庭の逆十字や変形アームロックで腕を完全に極められてしまう。桜庭の鮮やかなワザへの移行に、試合を放送したABEMAの視聴者も「うまいなー」「すげぇ」と思わず唸るようなコメントが並んだ。
その後も、ポジションを変えながらアームロックで締め上げられた征矢は悶絶。なんとか足がロープにかかりブレイクで逃れるも、中央に戻されて再び変形アームロック地獄。
タップするしか選択肢は無いように思われた征矢だが、ここでまさかの行動に出る。締め上げられた腕を犠牲にしながら、桜庭の首を押さえ丸め込むと、全体重を乗せ、そのままフォールの体勢に移行。腕を極めながらも、25キロの体重差に耐えきれない桜庭はまさかの3カウントを奪われた。
思わぬ展開に呆気に取られる桜庭に対し、ダメージの大きい左腕を振りながら顔を歪める征矢。試合展開からは想像もできなかったまさかの結末にネットからは「そんなんあるw」「何このオチ」「あれは返せない」「それはないわw」「体重差の勝利」「これもプロレス」など多数の反響が寄せられた。
ABEMAでゲスト解説を務めた山田邦子も「あれしかなかったですよ。征矢くんは体重で…ヒジが痛かったと思いますけど、よくやりましたね」と話し、一瞬の機転が生んだ征矢の勝利を称賛した。