将棋の王座戦五番勝負第4局が10月6日に行われ、挑戦者の久保利明九段(45)が永瀬拓矢王座(28)に201手で勝利し、シリーズ成績を2勝2敗とした。初防衛を目指す永瀬王座と通算8期目のタイトルを狙う久保九段の激闘は、最終第5局にもつれ込んだ。
“捌きのアーティスト”の異名を持つ振り飛車党の実力者が、この日は粘りで劣勢をひっくり返した。四間飛車を選んで、永瀬王座の居飛車との対抗形になった将棋は、互いの玉をしっかり囲ってからの戦いに。どちらが先にその壁を崩すかという勝負になったが、終盤に向けてじりじりと差をつけられ、苦しい局面が続いていた。それでも必死に状況の打開を模索すると、最終盤に逆転の糸口を見つけると、この好機を逃さず一気に逆襲。解説の棋士からも「一時は絶望的だったが、ものすごい粘りが出た」と絶賛されるほどの、大逆転劇を演じきった。
対局後は「途中は負けにした局面もあったと思います。粘らないと持たない形になったので方針転換したんですが、よくわからなかったです」と振り返ると、第5局に向けては「またしっかりと準備して当日を迎えたい」と抱負を述べた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)