勝負を決する強烈なヒザがボディにねじ込まれた瞬間、敗者が発した地鳴りにも似た断末魔の叫びが館内に響き渡った。
10月9日にシンガポールで開催されたONE Championship「REIGN OF DYNASTIES」。ONEフライ級の常連ランカーであるリース・マクラーレンが、アレクシ・トイヴォネンを1ラウンド終盤にヒザ蹴りでKO。慌てた様子でドクターが駆け寄る事態にネットも一時騒然となり、「内臓破裂してそう」「アカン声が聞こえた…」など驚きと心配の声が多数寄せられた。
ついに再開したシンガポールでのONEの大会において、マクラーレンの強さが際立った。一方、MMAの戦績6戦無敗のトイヴォネンは練習中に負った前十字靭帯損傷のケガからの復帰戦となったが、15カ月ぶりの戦いは厳しい結果となった。
1ラウンド序盤は拮抗した攻防。マクラーレンがカーフを放てば、トイヴォネンが至近距離からのフックで応戦。両者、距離を取りながらの探り合い。
トイヴォネンが奥足を狙った右ローからミドル。トイヴォネンの強い右ローに、マクラーレンがわずかにグラつくと、その後はローキック合戦に発展。両者ダメージを蓄積させ、足が流れる場面も見られた。
「殴られたら殴り返す、蹴られたら蹴り返す」
お互い譲らない我慢の展開に終止符を打ったのはマクラーレンだ。スピンキックをきっかけに、左ハイでトイヴォネンをのけ反らせると、速い右ストレート、さらにショートで右を当てる。対するトイヴォネンも前に出てワンツーから右ローと反撃に出るが、マクラーレンが再び右ストレート、左ジャブから、さらに右ストレートと叩き込んだ。
「パシッ」と歯切れのいい音とともにパンチを貰ったトイヴォネンがヒザを落とすと、手負いの相手にマクラーレンがラッシュを叩きこむ。トイヴォネンも何とかケージ際で追いすがるが、マクラーレンが重いパンチを何発も当て、ストライカーとしての本領を発揮する。
フィニッシュ・シーンも強烈だった。強いパンチでケージに串刺しにしたマクラーレンは、首相撲を挑んできたトイヴォネンのボディ目掛け、カウンター気味に右ヒザを叩き込む。あまりのダメージの大きさに「うおぉ」というトイヴォネンの地鳴りのように低い、断末魔の叫びが響き渡った。倒れ込んだトイヴォネンに対してマクラーレンが容赦ない追い打ちのパウンドを浴びせると、レフェリーが身体を投げ出すように割って入り試合を止めた。
ABEMAでゲスト解説を務めた仙三が戦慄のKOシーンに「(トイヴォネンの)声が出てましたね。ヤバいかもしれないですね」とトイヴォネンの状態を案じると、解説の大沢ケンジも「(あばらの)イッちゃってるかもしれないですね…」と大きなダメージを心配するコメントを残した。
その後、無事に立ち上がったトイヴォネンだったが、スローでKOシーンが流されると、クリアに聞こえるトイヴォネンの断末魔の叫びに対して、視聴者から「アカン声が聞こえた」「“ごぉっ”と言ってたで」「折れたか」「内臓破裂してそう」など、壮絶なKOシーンに対する驚きと心配の声が多数寄せられていた。