正確無比なスローでまさかの2アシスト。あまりに見事な投球が福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也捕手の必殺技「甲斐キャノン」に匹敵するとネット上で話題となっている。
甲斐キャノンといえば、地肩の強さから驚異的なスピードのボールが繰り出される、まさにキャノンのような返球をイメージするだろう。しかし、実際は正確性が一番の特徴であり、受け手が取りやすい位置に寸分狂わず返球することで、盗塁を阻止している。
■GKなのに1ゴール2アシスト
そんな甲斐捕手のような正確無比のスローで注目を集めている人物が、シュライカー大阪に所属する檜山昇吾だ。
4日に行われたボアルース長野戦に出場したナニワの守護神。第2ピリオド(後半)18分にその“檜山キャノン”が発動する。
相手の攻撃がゴールラインを割り、大阪ボールで試合が再開。檜山はゆったりとボールパーソンの下に歩み寄りボールを受け取ると、ここから一気にギアを上げて豪快なスローから相手ゴール前に渾身のストレートボールを投げ込む。
勢いよく放たれたボールは、前線に走り込んでいた相井忍の頭にピンポイントで合い、チームの8点目をアシストしたのだ。
相手の隙を見逃さず、走り込んだ味方にここしかないというタイミングで最高のボールを投げ込んだ檜山。視聴者からは「ナイススロー」、「今日イチのゴール」、「あのスロー真似したい」と称賛の嵐となった。
さらに檜山の活躍はこれだけにとどまらず。試合終了間際の19分にもクリアランスからリスタートの場面で、今度はやや山なりのボールを投げ込む。
弧を描いて飛んでいくボールは、相手ディフェンダーがジャンプしても届かない絶妙な軌道を描き、相手ゴール前で待ち構えていた堀内迪弥の頭にドンピシャで渡った。
これにはABEMAで実況を担当した加藤謙太郎氏も「このスロー、ドンピシャ!」と大興奮。コメント欄にも「檜山のスローすげぇ精度」と完璧なスローに対する称賛の言葉が溢れた。
なお檜山はこの日、得点も記録している。長野がゴレイロ(GK)をFP(フィールドプレーヤー)に変えて、ゴールをがら空きにして5人全員で攻め込むパワープレー戦術を実施。この攻撃を凌ぎ、自陣から放った超ロングシュートがゴールネットを揺らした。
解説を務める元日本代表の北原亘氏も「点を止めるわ、決めるわ、アシストもするわ、素晴らしい活躍でした」と、この日のMVPに賛辞を送った。
ゴレイロなのに1ゴール2アシストと攻撃面でも存在感を発揮した檜山。攻撃的な大阪に欠かせない守護神から今後も目が離せない。
文・川嶋正隆(SAL編集部)
写真/シュライカー大阪