「無自覚に蓄積していくストレスを知って」 人生の出来事から調べるコロナ禍の“ストレス度”
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 今年は新型コロナウイルスや台風などでつらい状況が続く中、気をつけなければならないのがメンタル面への負担だ。長く続いた自粛生活や、会社や学校における環境の変化など、日々変わる状況への対処が求められている。

【映像】コロナ禍の“ストレス度”をチェック

 そんな中、今自分がどれだけのストレスを抱えているのか、人生の出来事を数値化して調べる方法がある。『ABEMAヒルズ』ではこのリストを基に、ストレスに対応する方法について明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏に話を聞いた。

 人生の出来事におけるストレス度として、最も高いのは「配偶者の死」で100。そのほか、「結婚」が50、「妊娠」が40、「労働条件の変化」「住居の変更」などが20となっている。これらを1年間に経験した出来事の合計が150点以上で次の年に何らかの疾患を発症する可能性が39%、200点以上で51%、300点以上で79%に高まるとされている。

 藤井氏は「今はコロナ禍ということもあるが、季節の変わり目や台風といろいろな状況が重なっている。そういう中でストレスは無自覚に蓄積していくものなので、その結果として体の不調や精神の問題を抱えることがある」として次のように解説する。

「無自覚に蓄積していくストレスを知って」 人生の出来事から調べるコロナ禍の“ストレス度”
拡大する

 「特に今年は仕事上の変化が多かったと思う。例えば『仕事の再調整(39)』は、コロナ禍で仕事の形態が変わった人はこれに当たると思う。また、『経済状態の大きな変化(38)』『仕事上の責任の変化(29)』とあるが、これら3つを足しただけで最も高い『配偶者の死(100)』を超える。それに加えて、最近は有名人・芸能人の方が亡くなったりする中で、家族ではなくても身近に感じていた人にとってはインパクトが大きく、自分の周囲の人が亡くなったのと同等のストレスを感じることもある。自分では気づかない間に溜まっているストレスをこれに当てはめてみて、まず知っていただくことが大事だと思う」

 では、自身のストレス度を知った上でどのように対処すればいいのか。

 「最近はオンラインカウンセリングが多くなったが、オンラインは対面とは違って把握できる情報が少ない分、心理検査(心理テスト)をより多くやるようになった。その中で明らかになったのは、ストレス度が低い人はある程度、日常からいい意味で逃避できる時間を作れていることが多い。GoToトラベルを使って旅行をするというのももちろん、そこまでいかなくとも少しぼーっとする時間を作ったり、DVDを見て没頭したり、お風呂に入ったりと日常的なことや、思考の中で日常から離れることができている人はストレス度が低い印象だ」

 また、仕事面については「流れに身を任せる在り方」を勧めた。

 「普段仕事に対して裁量がある人、自分の思い通りにできる人はストレス度が低いというのがストレス研究においては定説。一方、今は求められることを淡々とやるというか、流れに身を任せて仕事ができている人のストレス度が低い傾向がある。今は頑張りすぎるよりもまずストレスを知って、一定程度逃げて、可能な限り流れに身を任せる在り方がいいと思う」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

周囲は15秒の気配りと3分の雑談を 竹内さん死去
周囲は15秒の気配りと3分の雑談を 竹内さん死去
なぜ繰り返す? 山口容疑者を心理分析
なぜ繰り返す? 山口容疑者を心理分析
この記事の写真をみる(2枚)