知事らが使用する公用車についてのこれまで使用していたトヨタの高級車「レクサス」を「センチュリー」にグレードアップしたことが波紋を広げている兵庫県。
・【映像】「安全で快適だったら、センチュリーが抜群だ」公用車としてコスパ妥当?
12日の会見で、井戸敏三知事は「性能が良くないと。特に兵庫県みたいに山あり平野ありで、しかも広大な県土を抱えているところで、走っていても滅多に壊れないような車でないと困る。望ましい車であるということは間違いない」と述べ、再検討はしない考えを示した。
総理大臣や皇室の公用車としても採用される最高級車「センチュリー」。トヨタの公式ホームページによれば、「外から遮断された静寂さ」「滑らかで安定した乗り心地」といった特徴のほか、「高い衝突安全性能」「徹底した燃費向上によるCO2排出量低減」も謳われている。
一方、価格は19,962,963円(税込)で、クラウンやレクサスに比べても高く、兵庫県のリース料は従来の約2倍となる600万円(2台)に跳ね上がる。そのため、県民からは「もっと違うことに税金を使って欲しい」「無駄だ。レクサスでも無駄だ。別にそんな高級車を使わなくてもいい」といった声が上がっているのだ。
センチュリーを巡っては、貴賓車兼県議会議長車として2000万円を超える価格で購入した山口県でも問題視されており、大阪府の吉村洋文知事は9日、「この時代に、センチュリーという最高級車でないと知事の仕事ができないというわけではないし、市民県民の感覚からかけ離れた行動ではないか」と否定的な考えを示している。
センチュリーを巡っては、貴賓車兼県議会議長車として2000万円を超える価格で購入した山口県でも問題視されており、大阪府の吉村洋文知事は9日、「この時代に、センチュリーという最高級車でないと知事の仕事ができないというわけではないし、市民県民の感覚からかけ離れた行動ではないか」と否定的な考えを示している。
センチュリーの開発者へのインタビュー経験もあるバラエティ自動車ジャーナリストの小沢コージ氏は「皆さんが批判するのももっともだと思うが、ただ、トヨタという年間30兆円の売上を出すとんでもない会社があるからこそ作ることのできる自動車で、“走る文化”や“プライド”といった面から見れば、このようなVIP向けの公用車を作れる自動車産業のある国が日本とドイツくらいしか残っていないということも事実だ。県知事が使うことが妥当かどうかはさておき、センチュリーという車を作れるのは素晴らしいことだと知ってもらいたい」と話す。
その上で、井戸知事がリースの理由として挙げた(1)性能が良いこと。兵庫県は起伏に富む県土、(2)安全性の確保。横からの追突にも強いこと、(3)環境性能。少なくともハイブリッド、(4)後部席の居住性。長時間乗ることを配慮といった点について、次のように話した。
「(1)~(3)は“NOセンチュリー”だ。他にも性能が良い車はある。それこそ起伏に富む県土で、天候が悪くて危ないことがあるというのであれば、ランドクルーザーが良いと思う。また、今の車には一定以上の安全性があるので、絶対にセンチュリーでなければならないということはないと思う。環境性能についても、ハイブリッドのものがいくらでもあるし、プリウスよりも高級なものが良ければ、レクサスのLSがある。それで十分なのは間違いない」。
一方、「長時間の利用に関して言えば、“YESセンチュリー”だ。昔、江川卓さんが“巨人の選手はベンツに乗りなさい”と言ったが、それは身体を癒やすことも大事だという意味からだ。知事が本当にそれに足る仕事をしているのであれば、身体を休める性能も重要だと思う。その点ではアルファードでも十分だが、本当の意味で振動が伝わらないという意味では、センチュリーの方が絶対に上だ。運転中に横になるのは危ないわけで、座ってシートベルトを付けた状態での快適さで言えば、センチュリーが抜群だ」と説明した。
ジャーナリストの堀潤氏は「国産のものを大事にしましょう、そしてセンチュリーに使われている部品や技術はこうで、その産業振興として…といった理由があれば理解もできると思う。 “壊れないから”と言われても、それでは納得がいかない。ただ、NHKにいた頃、渋谷の放送センターに記者の取材用のハイヤーがずらっと並んでいて、その中にセンチュリーが停まっていた。それに先輩が乗って行ったのを見て“お前は県知事か”とツッコんだ(笑)」と振り返ると、センチュリーとアルファードを利用したことがあるというカンニング竹山は「アルファードでも十分にリラックスできるし、叩かれてしまうかもしれないが、しかし国産で最高峰の車だから県に1台はあって良いような気がするし、知事にまでなれば乗ってもいいのではないか。特に愛知県知事はトヨタの一番良い車に乗っていないと、と思う」とコメントしていた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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