“逆張り”“被無視感”が過激な言動に走らせる要因に? 亡くなった芸能人への中傷・憶測に異例の注意喚起
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 名古屋を拠点とするアイドルグループ「てぃんく♪」で活動していた七瀬雪乃さんが今月17日、不慮の事故により17歳の若さで亡くなった。彼女の死を巡りいま、所属事務所が異例のコメントを出す事態となっている。

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 「現在youtube、SNS、掲示板などで故人を貶める不愉快な投稿などがあるとご報告を頂いております。とても看過出来る問題では無く、絶対に許せません」(てぃんく♪公式Twitterより、一部抜粋)

 そうしたインターネット上の投稿に対し事務所は「ご遺族と共に厳正に対処させて頂きます」として、法的措置も辞さない姿勢を示している。

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 芸能人の死を巡り、ネット上に不確かな情報が広がるケースは他にもある。大手芸能事務所のアミューズは20日、公式ホームページで、所属アーティストに対する度を超えた誹謗中傷やデマ情報の拡散がみられると指摘。さらに、「デマ情報を発信しているWebサイト」として、複数の具体的なURLも掲載している。

 これらのサイトはいずれも、7月に亡くなった三浦春馬さんに関し「何らかの隠された事実があるのではないか」とする、いわゆる陰謀論が語られているのが特徴だ。アミューズは「事実無根のデマ情報の流布は、当社又はアーティスト等への信用毀損もしくは名誉毀損に該当する」とし、問題がある投稿に対しては新たに設けた法務部のTwitterアカウントを通じて連絡をしていくとしている。

 芸能人の死が報じられるたびに中傷や憶測が生まれる心理的な背景について、明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「今回のように人が亡くなった時に、多くの人は故人を悼む気持ちでメッセージを発信することが多いわけだが、その中で、いわゆる“逆張り”で過激なことや故人を貶めることを言うことで、目立つということはひとつあると思う」との見方を示す。

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 一方で、七瀬さんに関しては「不慮の事故」という表現に注目。「よく行政上の死因の区分として使われる言葉だが、具体的には交通事故や自死、その他いろいろなものが実際含まれているわけで、あえて幅を持たせてしまったのはもう少し考える余地もあったのではないか。多くの人にとって社会的距離が遠く、それゆえに情報を得にくい人だからこそ、決めつけて少しでもモヤモヤを減らしたいという心理が生まれる」と指摘した。

 藤井氏によると、近年の研究で自分は周囲に無視されたという「被無視感」が、攻撃的・過激な言動に結びつく可能性が指摘されているという。「例えば、SNSや掲示板、何らかのサイトに書き込みをした時、それに『いいね』がつかなかったり、リプライがされないことを無視と感じてしまう。また、いろいろな人が発言するグループチャットで、ある人の投稿に対する返事を量的にカウントした時、リプライが少ない人は被無視感やストレスが高くなるといわれている。そしてその蓄積が、より容易に受け手の反応を引き出しやすい誹謗中傷や憶測などの言動につながりうるということ。そもそもネットは、自分と社会との間に一線が引かれてしまい、人の死という重大なことでも現実感が持てず、思いついたことをすぐに反応として表出してしまう場所になりがち。とはいえ、被無視感が影響するとすれば、単なる個人の問題としてではなく、ネット上の物の見方や価値観について、社会的に改められていかなければならないと思う」と述べた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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