10月11日に1回戦が行なわれたRISEの女子トーナメントは、出場8選手中5人がチャンピオンというとてつもなくハイレベルなものになった。
その中で、とりわけインパクトを残したのがミネルヴァ王者のsasoriだ。異名は「女蹴さそり」。梶芽衣子の映画『女囚さそり』をモチーフにした黒装束で入場姿はもちろん、試合ぶりもインパクト絶大だ。
「とにかく前に出て倒すだけ」
それがsasoriの身上。前進して強烈なパンチを振るい、組めば首相撲で投げ捨てる。相手の攻撃を食らっても、流血しても笑いながら前へ。1回戦でsasoriに敗れた平岡琴によると、パンチを当てても「よっしゃ!」と声をあげて反撃してくるという。
「効いてるんだろうけど通用しないみたいな気持ちになるんです」
11月1日にはエディオンアリーナ大阪でトーナメント準決勝・決勝が行なわれる。sasoriが準決勝で闘うのはRISE王者の寺山日葵。両者は7月にも対戦しており、寺山が接戦の末に勝利。今回はリマッチとなる。前回の内容を踏まえると、決着戦と言ってもいい。
重要な一戦を前に、sasoriは何を思うのか。sasoriは基本的に人前では無言。コメントはジム会長に耳打ちし、会長が“通訳”する。よってプロモーション映像でも無言となった。
その代わりに、sasoriは寺山に手紙をしたためている。対戦相手への手紙だから「果たし状」か。
拝啓
寺山日葵様
あなたは強い
まわりが何と言おうと
一度試合した私は
知っている
全力で来てください
そのあなたを
倒しに行きます
令和二年十一月一日
敬具
女蹴さそり
1回戦、勝ったものの不本意な内容に悔し涙を流した寺山は、相当な決意でsasori戦に臨んでくるだろう。一方、sasoriも前回の対戦時より明らかに強くなっている。決勝進出をかけたリマッチは、女子格闘技屈指の激闘になりそうだ。