「なんて試合だ! どういう終わり方…全く予想だにしない! こんな終わり方あっていいのか!?」
目まぐるしく攻守が入れ替わった白熱の好試合に突如、訪れたパウンドフィニッシュ決着に実況の西達彦アナウンサーが思わず絶叫。このレフェリーの判断のタイミングについては「止めるのが早い」「動きは止まっていた」など、ネットから賛否の声が上がっている。
10月30日にシンガポールで開催されたONE Championship「INSIDE THE MATRIX」。ONEライト級タイトルマッチで王者のクリスチャン・リー (シンガポール)が、ユーリ・ラピクス(モルドバ)を攻守が秒単位で入れ替わる高速バトルの末、怒涛のパウンドで沈め防衛に成功した。
昨年、日本のエースである青木真也からタイトルを奪取し、今回が初防衛戦となったリー。対するラピクスは総合の戦績14戦全勝に加え、“オールフィニッシュ”という注目の若手選手同士だ。
試合開始直後にラピクスの右を貰ったリーはテイクダウンを狙うが、ラピクスが払い腰で対応するとハーフガードで上に。早々にリー劣勢の展開となったが、リーと対戦経験のあるABEMA解説の青木真也は「クリスチャンはピンチでもそう思わせない強さがある」と話す。その言葉を実証するように、リーは下からの防御、足を絡ませながらのブリッジなどで立ち上がると、身体を浴びせてテイクダウン。しなやかさと強引さで、攻守逆転に持ち込む。
これは序章に過ぎず、ここから“瞬き厳禁”の攻防が続く。リーがサイドからマウントで上になると、ラピクスがブリッジの反動を利用し、くるりと回転して足関節。一瞬、極まったようにもみえたが、今度はリーが反転し、素早くバックを取って亀の体勢となったラピクスに後ろからパウンドを連打する。ラピクスも必死に抵抗するが、リーの鉄槌が容赦なく後頭部に振り下ろされると、レフェリーが身体を投げ出すように割って入り試合を止めた。
劇的決着の際の反応は冒頭で述べたとおり。青木も「止めるのが早い。もう少し見たかった」と漏らしたように、このレフェリーの判断のタイミングについては視聴者の間でも「止めるの早いだろ」「止めてしまうのか」「まだ見たかった」など否定的な意見が上がる一方、「失神していた」「早くない」「確かに動きは止まっていた」「あれだけ後頭部を殴られたら止めないと…」と賛否は割れている。
「お互い行ったり来たり、ファンタスティック過ぎる」と青木が評したスリリングな攻防戦だけに、視聴者からは「もう一回やってほしい」など、早くも再戦を望む声が上がっている。