「コストだけでなく、成果も見てほしい」公用車やファーストクラスはムダなのか?批判を浴びた舛添要一前都知事が明かした“本音”
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 兵庫県の井戸敏三知事がトヨタ「センチュリー」の必要性を訴えたことを機に、官公庁や地方自治体などが使う「公用車」のあり方や、必要性そのものを問う議論が巻き起こっている。

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 同じ問題は、国会議員の公用車にも。保有台数は衆参合わせて約200台、運転手の平均年収は800万円以上、維持費などを含めた予算は年間20億円以上にも上っていることから、有権者から疑問の声も上がっている。

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 そこで5日の『ABEMA Prime』では、国会議員・閣僚として公用車を利用、さらに東京都知事時代にはその使い方をめぐって社会的な批判も浴びた国際政治学者の舛添要一氏に話を聞いた。

 舛添氏は、まず自身が非難を浴びたことを踏まえ「私がコンサートに行け、野球場に行けと言って使っていたと指摘されたが、それは個人として呼ばれたのではなく、“都知事として、ご夫人も同伴していらしてください”という公式訪問を依頼されたからだ。加えて、ただ楽しむだけではなく、その後の催しの打ち合わせもしていたので、当然、公務だと思っていた。それはダメだといわれたのでお金を払ったが、それなら安倍さんは周りをSPに固められ、専用車でゴルフに行っているじゃないかと思った。確かに首相の方が偉いかもしれないが、都知事だって都民1400万人の命を預かっている。“24時間・365日、公務なんだ”と言うのなら、その分の道具をくださいという話なのだが、自由に使うことができないのなら、かえって無い方がいいという気持ちになった」と告白。

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 「車内では電話で打ち合わせをしたり、書類を見たりすることもあると思う。その意味では、やはり全て無駄だと言ってしまうのは非常に難しいと思う。また、私は海外出張に飛行機のファーストクラスを使ったことでも怒られたが、現地に着けばスピーチを行い、通訳なしでの会議だ。それなら10時間グッスリ寝て、すぐに戦える状態にしておいた方がいいと思った。コストもかかったが、成果もこれだけ出た、というところで見てほしいと思ったが、通用しなかった」。

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 一方、井戸知事の発言で議論になっている「車種」の問題について舛添氏は「国会議員の時、みんなが黒塗りのセダンに乗る中、私は車の中で仕事がしたかったし、見つけやすいと思ったので銀色のワンボックスに乗っていた。当時は馬鹿にされたが、今ではワンボックスを使う人が増えていると想う。兵庫県知事はセンチュリーだと中で会議ができるというが、セダンではできないと思う。そして日本の車は性能がいいので、少々の坂道であれば登れない車はない。だからあまり説得力はない」と指摘。

 また、用途についても「まず、“来賓用”はいらない」と断言、「偉い人は皇族の方々などは自分の車で来るし、海外の要人も大使館の車で来る。私の東京都知事時代、週に一度くらいのペースで外国の要人をお迎えしていたが、都庁の車を使ってやってきた人は1人としていなかった」と明かした。

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 他方、国会議員については「ある程度は無駄遣いもあり、そこは整理して、コストを減らすこともできるのではないか」と指摘する。「私は国会議員時代に外交防衛委員長を務めていて、そのために公用車が付いた。ただ、外交防衛委員会は週に数回開かれていたが、年に一回くらいしか開かれない委員会の委員長でも、ちゃんと車が付いていた。また、運転手は国会の職員なので、公務員だ。だから忙しい先生の担当になれば残業手当も付く。整備をどこまで外注にするかという問題もある。そういうところをどう考えるのか、ということだ」。

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 その上で舛添氏は「私も公職にあったときは駅長さんの出迎えがあり、発車の30秒前くらいになると連れて行ってもらえた。しかし議員パスもある国会議員を何年もやって慣れてくると、そういうのが当たり前だと思って威張り腐り、電車を必死に乗り継いで…という感覚も分からなくなると思う。かつてそういう立場だった私が言うのもおかしいが、今日も重い荷物を一人で持って、東京駅まで中央線に乗った。今はPASMOでもなんでも自分で使える(笑)」。

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 オンラインサロン『田端大学』主宰の田端信太郎氏は、民間企業の執行役員時代、運転手付きの社用車を利用していた経験から「以前、金子恵美元議員が子どもの保育園の送迎に公用車を使って批判を浴びたが、公職は労働基準法が適用される労働者というわけではないし、必然的に公私混同にならざるを得ない部分が出てくると思う。守秘義務の問題もあるし、事前に行き先などもインプットしておける運転手さんがいるのは意味があること。目くじらを立てるほどのものなのだろうか」と疑問を呈する。

 「もちろん、それがセンチュリーである必要はないと思うが、それよりも豊洲市場で余分にかかった予算の方が大きいのに、単に分かりやすいから“庶民感覚”で批判してしまうのだと思う。センチュリーに乗ってもいいが、その代わりに俺らがレクサスにくらい乗れるような政治をしてくれよという考え方をすればいい。かつて石原都知事が登庁する頻度が少ないと批判されていたが、選挙があればクビになるわけだし、成果を残せばいいと思う。逆に、外務大臣が民間機で移動している現実はどうなのか」。

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 EXIT兼近大樹は「テレビに出る人も、公の仕事をしている人も、やっぱり感覚がバグった中で話をするから、“こっちは今日は100円我慢したんだぞ”という一般の人の嫉妬感情の対象になってしまう。そういう部分を無視せず、感じなければだめだ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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