
麻雀プロ団体の1つ、日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル「雀王」を争う、雀王決定戦の最終4日目(全4日間)が11月7日に行われ、矢島亨が初の雀王に輝いた。
昨年、あと一歩で届かなかった悲願のタイトルをついに手にした瞬間、思わず涙が流れ始めた。決着をつけたのも自身のアガリ。達成感と感動が一気に押し寄せた。追いかけてきた現雀王の堀慎吾の追撃に苦しみながら、最後はその堀の親番というプレッシャーを跳ね除けて、栄冠に輝いた。
2日目、3日目と大きく加点し、最終日を2位以下に100ポイント以上の差をつけていた矢島だったが、悲願のタイトルには苦難の道が待っていた。最終日、半荘5回戦の1回戦、2回戦で3着だった矢島は、2着・トップの堀に一時逆転を許し、さらに3回戦は痛恨の箱下ラス。さらにその差を広げられた。
4回戦も堀にトップを取られれば、タイトルの行方も決まるという状況の中、会心のトップでポイントを戻すと、最終戦突入時で堀との差はわずか1.2ポイントの大激戦に。まさに最終決戦という状況に持ち込んだ。
着順勝負の一騎打ちという構図の中、大きな分かれ目となったのは東3局。堀の先制リーチにひるまず押し返した矢島が、追っかけリーチで堀から満貫を直撃。差を広げると、その後は押し引きのバランスよく、リードを守って逃げ切った。
タイトルを手にした矢島は「最初は連続3着から堀さんにも追いつかれて3回戦も焦ってしまった感じがあったので、4回戦以降は冷静になろうと強く言い聞かせて臨みました。堀さんも言っていたように雀王を取ってから注目が増えると思うのでこれからも頑張ります」と、喜びと責任を噛み締めていた。
【試合結果】
1位 吉田基成 +119.1
2位 矢島亨 +9.2
3位 堀慎吾 +0.6
4位 金太賢 ▲128.9
【トータル最終順位】
1位 矢島亨 +180.1
2位 堀慎吾 +67.3
3位 吉田基成 ▲3.7
4位 金太賢 ▲243.7
◆雀王 日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル。1年をかけてリーグ戦を行う。最上位のA1リーグ(15人)は全10節を戦い、上位3人が決定戦に進出。前年度優勝の雀王を含めた4人で争う。決定戦は4日に分けて、半荘20回戦を行う。
◆日本プロ麻雀協会 2001年に設立。主なタイトル戦は雀王、雀竜位、女流雀王、日本オープンなど。五十嵐毅代表理事。
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