アメリカ大統領選挙で勝利宣言した民主党のバイデン前副大統領は10日、トランプ氏が敗北を認めないことについて「恥ずかしいとしか言いようがない。大統領の威厳を下げるだけだ」と批判した。
一方、トランプ氏は自身のTwitterで「票の大規模な不正に気をつけろ。早くワクチンができると伝えたように私の言うことを覚えてくれ」と投稿。ファイザー社の新型コロナワクチンで感染症を防ぐ効果が90%以上見られたという発表についても、自分の見通しが正しいと主張した。また、アメリカのニュースサイト『アクシオス』によると、トランプ氏はすでに4年後の大統領選出馬を検討していると側近に話しているという。
いまだ敗北宣言をせず、バイデン氏との対立が続くことで、政権移行の遅れが懸念されているトランプ氏。慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、トランプ氏について「自己啓発本を全て実践しているような人だ」と述べる。
「トランプ氏は、まるで巷の自己啓発本に書いてあることを全て実践しているようなおじさん。『前向きに解釈しろ』や『失敗を失敗と捉えなければ失敗ではない』『権威やブランドにしがみつくな』『嫌われることを恐れるな』など、自己啓発本の章タイトルにありそうなことを全て実践しているよう。ヒットしている自己啓発本に書かれていることの多くは、読者ができそうでできないことばかりだと思う。だけど、読んでいるとワクワクする内容。だから熱狂的なファンも多い。トランプ氏はそれを次々行動していて、善悪は別として、そんな姿勢に注目してしまう。あがいているという報道もあるが、本人も次期大統領が難しいとなど分かっているだろう。むしろ、元大統領というブランドにはこだわらず、新しい“トランプ物語”を考えているのでは」(以下、若新雄純氏)
また、開票に不正があったとして法廷闘争を続ける姿勢を示しているトランプ陣営。バイデン氏が勝利宣言をした今、トランプ氏にはどのような景色が見えているのだろうか。
若新氏は「訴訟や借金返済を回避するため、というのもあるだろうが、当初の計画に縛られない、政治家以外の可能性も考えながら、次の“トランプ物語”をどう作っていくかに全力を投じているだろう」とした上で、「次の大統領はバイデン氏で決まりだと思うが、とはいえトランプ氏が大統領をやめた後もTwitterなどの発言力はずっと続く」と指摘。「大統領としてどうなのか、世界の元リーダーとしてどうなのかという意見はあるが、それらも含めてトランプ氏の全ての言動・行動に注目が集まってしまう。トランプ氏について、次は何をするんだろうとみんなが気になっている。トランプ氏も、『トランプ前大統領』という新しい商品をどう売り込んでいくかのマーケティングを考えているのでは」と語った。
依然Twitterで発言力を持つトランプ氏。敗北宣言をするのかどうかも含め、その動向に注目が集まっている。
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