このままでは“公開パワハラ”だし、官僚のなり手が減っていく…「野党合同ヒアリング」はアップデートできるのか
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 厚生労働省が職員に向けて行ったアンケートで浮き彫りになった、なかなか進まない「働き方改革」の実態。省外からシステムに接続するための機器が不十分、あるいは大臣や議員へのレクなど“国会対応”のため、実に43.2%が「希望に反して終日テレワークができなかった」と答えているのだ。

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​​​​​​​ そんな中、世間の注目を集めているのが「野党合同ヒアリング」のあり方だ。重要な政策テーマに関して、野党議員の質問に各省庁の担当者が答える形式のもので、先月19日の「Go To トラベル」に関して、立憲民主党の原口一博衆院議員が厳しく詰め寄る様子は波紋を呼んだ。

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 こうした状況に対し、与党・自民党の森山裕国対委員長は「担当者が精神的に非常に負担を感じ、役所を休んだりしなければならないということも起きているように聞いている」、野党合同ヒアリングに参加していない国民民主党の玉木雄一郎代表は「行政が答えることは必要だと思うが、やり方、見え方、見せ方については、少し工夫があってもいいのでは」と話している。

 一方、イラク派遣自衛隊の日報隠ぺい問題や働き方改革のデータ問題等では重要な情報を発掘する機会にもなっており、立憲民主党の枝野幸男代表は「(各党派が)ばらばらにやったのでは同じことの繰り返しになるので、一回で済ませて役所の仕事を減らすためにやっている」、福山哲郎幹事長は「大臣が出てきて答弁をしていただければいい」と主張している。

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 野党ヒアリングについて、11日の『ABEMA Prime』に出演した立憲民主党の階猛衆議院議員は「吊し上げをしているように見られていることについては反省すべき点があると思う。ただ、国会ではなかなか審議の時間が取れず、議論ができないところを補っているのが野党ヒアリングだし、それだけ不祥事が多いということも事実だ。野党ヒアリングそのものが悪いということではなくて、存在価値はあるということは理解していただきたいし、客観的な事実や政策の合理性など、まさに官僚がきちんと答えられるところ、我々が聞くべきところは聞きたいと思っている」と認識を示す。

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 その上で、「野党ヒアリングについて、私は二つに分けて考えるべきだと思っている。一つは不祥事の事実関係を調べるようなタイプのもの。もう一つは、政策や事業の合理性、税金の使い方がいいのかどうかを確かめるためのもの。私は官僚のみなさんとやるのは後者を中心にすべきではないかと考えている。そうすれば官僚のみなさんもいい意見を言ってくれるし、建設的な議論ができる。しかし不祥事の責任はほとんどが政治家にあるわけで、あくまでも官僚のみなさんが持っている客観的な証拠を出してもらうというようなところにとどめるべきではないか」とも話した。

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 元経産官僚の宇佐美典也氏(2005年入省、2012年退官)は「ちょうど私と同期くらいの年次の人たちがこういう場に出てくる立場になってきているが、やはり体調を崩して休んでいる人もいる。なぜ野党合同ヒアリングの映像を見ていて不快になるかといえば、要はパワハラだからだ。国会議員という国民に直接選ばれた偉い立場の人が、反論を許されない状態の役人を詰問、叱責する。役所には法令、予算、税制、そして交渉ごとという通常業務があり、基本的にはこれを回すための人員で構成されている。つまり、その上に乗ってくる国会業務は、純粋に残業だけで構成されているわけだ。ヒアリングをするなら与党の政務官や副大臣を呼んで、政治家同士でやればいい」と厳しく批判する。

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 「ここはやはり与野党の国会議員の方々が協力しないと、官僚になる人はどんどん減っていくだろうが、役人なんてどうでもいいと思っているのだろうから、ブラック企業的な体質は絶対に直らないと思う。何年も前から言われても与党も受けないし、野党も一方的にやり込めている画の方が仕事をしているように見せられるから、お互いに都合がいい。階さんは問題意識があるのかもしれないが、立憲民主党が何か変えようとしているには見えない」。

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 政府の規制改革会議のメンバーでもある慶應大学特別招聘教授でドワンゴ社長の夏野剛氏は「官僚にもひどいのがいっぱいいる。省庁によってもだいぶ違うが、のらりくらり論点をずらすみたいな答弁をされるなど、この1年、人間不信に陥るようなことも経験した。一方で、出てきている方は参事官や課長だったりするので、個人の問題というよりも、背後に色んな思惑や組織を背負っているからだと思う。本人としてはもうちょっと答えたいと思っていても、組織の代弁者としてはそれができないこともある。だから質問している側にフラストレーションが溜まる」と振り返る。

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 政府の規制改革会議のメンバーでもある慶應大学特別招聘教授でドワンゴ社長の夏野剛氏は「官僚にもひどいのがいっぱいいる。省庁によってもだいぶ違うが、のらりくらり論点をずらすみたいな答弁をされるなど、この1年、人間不信に陥るようなことも経験した。一方で、出てきている方は参事官や課長だったりするので、個人の問題というよりも、背後に色んな思惑や組織を背負っているからだと思う。本人としてはもうちょっと答えたいと思っていても、組織の代弁者としてはそれができないこともある。だから質問している側にフラストレーションが溜まる」と振り返る。

 他方で夏野氏は、22時から翌朝5時は完全に閉庁すべきだとの署名運動を展開している。「霞が関で働く多くの方々には、“国のためになるんだったら、多少の自己犠牲は”という意識がある。そういう、“国を良くしたい”とか“社会を良くしたい”ということにただ乗っかっているだけのものはルールとして止めるということ。すでに一部の自民党議員は国会質問の事前通告の提出時刻を宣言する取り組みを始めている」。

 先月の与党の幹事長・国対委員長会談では、与野党のヒアリングの在り方を検証し、一定の見直しが必要という認識で一致している。野党合同ヒアリングは建設的なものになり、官僚の働き方は改善されるのだろうか。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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