主人公が友人に殴り倒されて節目を迎える、という作品も珍しいかもしれない。TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)2ndシーズンが、前半クール計13話の放送を終えた。通算38話目のラストシーンは主人公・スバルが、仲間のオットーに強烈なパンチを食らうという、とにかく今後が気になるものだった。オットー役の声優・天崎滉平に聞くと、通称「オットーパンチ」による前半締めは、わずか2話前のアフレコ時に伝えられたものだったという。
【動画】深まる謎をもう一度「Re:ゼロから始める異世界生活」2ndシーズン
-2ndシーズンでは活躍ぶりが目立ったオットーですが、なんと最後はスバルに一撃見舞うという、なんとも気になる前半クールの締めでした。
天崎滉平(以下、天崎)
2ndシーズンでは、反響がありましたね! Twitterで「オットー」というワードをトレンドに入れていただけました。それも1度ならず、という感じで。1期の頃を考えると、こんなに喜んでいただけるとは……という想いです。1期の時から、原作の長月達平先生やスタッフの方々から「2期はオットーがすごいことになるよ」と言われていたのですが、僕が演じることによって「すごいことにならなかったらどうしよう…」というプレッシャーもありまして(笑)反響があったことに、ホッとしました。
-あの「オットーパンチ」で終わることは、いつ聞いたんですか。
天崎
「パンチ」が38話ですが、その2話くらい前のアフレコの時に知ったんです(笑)オットーがスバルを殴って終わると。僕自身、2ndシーズンをどこで切るんだろうということはずっと考えていたんですが、まさかオットーで切れると思っていなかったのでびっくりしました。それでも「オットー、頑張らねば!」というプレッシャーは常にあったので、「やることは変わらない!」と思って、前半クールの終わり方を聞いた後も平常心で頑張ることができました。
-アニメだけ見ているファンからすれば、とにかく真意が気になるところです。
天崎
オットーの真意も言葉の端々には出ていたんですが、なんで殴ったんだろうってなりますよね。スバルがどうしよう、どうしようと慌てているところに、深呼吸をさせておいて殴るとか…。先を知らない方からすれば、いろいろな考え方ができますよね。自分の親からも言われましたね。「最後に殴っちゃったから、びっくりしちゃって…。あれ、大丈夫なの?友達なんでしょ?」と(笑)
-第32話「ユージン」に代表されるように、スバルとオットーの関係が強くなったところが描かれた2ndシーズンでした。
天崎
巻き込まれ体質の人って、たぶんいい人なんですよね。いい人だからこそ、捨てきれず巻き込まれていると思うんです。オットーも1期のころから、そこは変わらないのかなと。スバルは何度も何度もいろいろな経験をして、すごく長い時間を過ごしていますが、オットーからしたら出会ってそんなに長きをともにしたわけではない。なのにスバルに対して「どうしてここまでするんだろう」と思いますよね。原作を読んでいる方はご存知だと思いますが、後半クールの中でこの謎が紐解かれるシーンがあります。そこを見て僕は納得がいきました。なんでそこまで気にかけて助けようとするのか。すごく腑に落ちた瞬間があったんです。だから、謎が解ける日が来るのを楽しみにしていただけたらと思います。
-特に生きることを諦めたスバルに発破をかけて、最後はガーフィールの手によって倒れるシーンは印象的でした。
天崎
オットーの芯の強さというか、絶対に敵わない相手、力じゃ敵わない相手にも毅然と立ち向かう勇気がありましたね。ミニアニメの「Re:ゼロから始める休憩時間(ブレイクタイム)」の収録をしたことで、あそこでガーフィールと対峙する強い気持ちの持っていき方を作れた気がします。スバルを助けたシーンは、もうスバルが諦めちゃっているんですよね。オットーは、自分が死ぬかもしれないという気持ちで助けに行っているとは思っていなくて、スバルが諦めていることに対しての怒り、「助かる可能性があるなら捨てるなよ!」っていう気持ちだったんだろうと推察します。
-オットー以外にも謎は深まるばかり、といった2ndシーズンでした。この謎を理解するのに原作を読んだ方がいいでしょうか。アニメだけの方がいいでしょうか。
天崎
原作を読まないままで後半クールを見ていただいても、絶対楽しめる内容になっています。でも原作があるアニメなので、原作とアニメとで両方で補完してもらえると、よりリゼロのことを深く楽しめると思います。僕も台本をいただいた時に、台本と同じ進行で原作を読んだりするんです。感情の流れとかを確認したい時は、原作を読んで気持ちを作ることはよくありました。だから、オンエアを見て気になったら原作を読む、ということをしたら、より楽しめるんじゃないかなと思います。きっとアニメにはアニメの、原作は原作の良さがあるので、両方楽しんじゃえばいいと思います。
-演じる上での「原作との触れ方」についてもう少しお願いします。
天崎
僕は常に原作を片手に持ちながら…という方ですね。リゼロの原作は、特に感情の機微や動かし方について、言葉の説明がとても丁寧な気がするので、普段以上に頼っていました。原作は、仮に一度読んでしまっていたとしても、演じる時にはアフレコの進行に合わせてまた読みます。もちろん台本も先まで読むんですが、キャラクターが知っていること、知らないことがあるじゃないですか。このシーンは「オットーは知らないな」というものは意識しています。(話を知っている)素の天崎が出ないように。
-では最後に、後半クールが始まる1月を待つファンの方々にメッセージをお願いします。
天崎
オットーにフォーカスを当てても、ここまでいろいろとお話ができる作品ですし、続きがとても気になるくらい楽しめるけれど、お疲れにもなったと思います。だからこの3カ月は、ちょっとゆっくりエネルギーを貯めていただければと思います。後半クールもオットーは頑張りますし、そのシーンにみなさんも耐えられるように英気を養って、ぜひ1月から後半クールを見ていただきたいです。見ていただけない方には、僕がオットーパンチをしに行きたいと思います!(笑)
※天崎滉平の「崎」の字は「たつざき」が正表記
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
アニメ『 Re:ゼロから始める異世界生活』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 始まりの終わりと終わりの始まり | はじめての死に戻り |
2 | 再会の魔女 | 激怒するエミリア |
3 | ゼロから始まる異世界生活 | イケメンがみんなを救う |
4 | ロズワール邸の団欒 | 目覚めると双子のメイドが |
5 | 約束した朝は遠く | 目覚めて気づく死に戻り |
6 | 鎖の音 | 敵の正体はまさかのレム |
7 | ナツキ・スバルのリスタート | 崖から飛び降りリスタート |
8 | 泣いて泣き喚いて泣き止んだから | エミリアたんの膝枕 |
9 | 勇気の意味 | 鬼化して高笑いするレム |
10 | 鬼がかったやり方 | ラムを投擲するスバル |
11 | レム | 「鬼がかってますね」 |
12 | 再来の王都 | 王選候補者・フェルト |
13 | 自称騎士ナツキ・スバル | スバルを拒絶するエミリア |
14 | 絶望という病 | レムに膝枕されるスバル |
15 | 狂気の外側 | 脳が、震える震える |
16 | 豚の欲望 | 霧から覗く巨大な目玉 |
17 | 醜態の果てに | ラムにも忘れられるレム |
18 | ゼロから | 1から、いいえ、0から |
19 | 白鯨攻略戦 | 妻を愛するヴィルヘルム |
20 | ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア | ヴィルヘルムと妻の過去 |
21 | 絶望に抗う賭け | 白鯨との戦いが決着 |
22 | 怠惰一閃 | ペテルギウスを撃破…? |
23 | 悪辣なる怠惰 | 体を乗っ取られるスバル |
24 | 自称騎士と最優の騎士 | スバルとユリウス共闘 |
25 | ただそれだけの物語 | 「レムって誰のこと?」 |
26 | それぞれの誓い | 新たな魔女教大罪司祭 |
27 | 次なる場所 | “強欲”の魔女エキドナ |
28 | 待ちかねた再会 | エキドナとお茶会 |
29 | 親子 | 目覚めると現在の日本 |
30 | 踏み出した一歩 | エミリアを抱きしめる |
31 | 少女の福音 | レムと再会するラム |
32 | ユージン | 捕らえられたスバル |
33 | 命の価値 | 兎に食べつくされる… |
34 | らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー | “暴食”の魔女ダフネ |
35 | 地獄なら知っている | ペトラとデートの約束 |
36 | 死の味 | 泣きわめくベアトリス |
37 | 魔女たちの茶会 | 目覚めたらレムが… |
38 | 泣きたくなる音 | “嫉妬”の魔女サテラ |
39 | STRAIGHT BET | パックと契約破棄 |
40 | オットー・スーウェン/信じる理由 | 大きな喧嘩とキス |
41 | クウェインの石は一人じゃ上がらない | “見えざる手”アッパー |
42 | 記憶の旅路 | エミリアの過去の記憶 |
43 | 平家星の笑った日 | “虚飾”の魔女パンドラ |
44 | エリオール大森林の永久凍土 | フォルトナの最期 |
45 | 聖域の始まりと、崩壊の始まり | スバルVSロズワール |
46 | 咆哮の再会 | ラムVSロズワール |
47 | 水面に映る幸せ | 号泣するベアトリス |
48 | 血と臓物まで愛して | エルザと決着のとき |
49 | 俺を選べ | スバルを選ぶベアトリス |
50 | 月下、出鱈目なステップ | スバルとエミリアのダンス |
51 | 劇場型悪意 | おぞましすぎるシリウスの力 |
52 | 氷炎の結末 | 掛け声まで可愛らしいエミリアのバトル |
53 | ゴージャス・タイガー | ガーフィールの男気、ミミの「よしよーし」 |
54 | 都市庁舎奪還作戦 | スバル、渾身のお姫様抱っこ |
55 | 濁流 | “ゲス顔エミリア”の罵倒 |
56 | 騎士の条件 | プリシラの圧倒的火力 |
57 | 最も新しい英雄と最も古い英雄 | 心震わす大演説 |
58 | いつか好きになる人 | 反撃の狼煙が上がる! |