国会が事実上閉会することを受け、4日夕方に記者会見を開いた菅総理。
国内での正式な会見としては9月に就任して以来初となることから、記者からは新型コロナウイルス対策など、国民への説明の機会が少ないことが指摘された。これに対し菅総理は「機会があるときに、そこはぶらさがり(取材)などでメッセージを発信させていただいている。政権として、そうしたコロナをはじめとする対応策については、もっとしっかりと発信できるようにしていきたいと思う」と答えた。
・【映像】医療現場はひっ迫…菅総理の会見は国民へ想い伝わった?
■「“安定のガースー”という感じだった」
今回の会見について、菅総理を支える自民党の“菅グループ”の一つ、「ガネーシャの会」メンバーの秋本真利衆院議員は「“安定のガースー”という感じだった。新しい内容が無いということも言われているが、コロナ対策と経済対策と両立しなくてはいけない中、マクロ的に見たときに取り得る方策については取っていると私は思うし、“今やっていることをしっかり継続してください”ということがメッセージだったのではないか。会見を開いていないと言われるが、ぶら下がりには応じている。総理は就任時や、国会が閉じた時に会見をするのがスタンダード。今回もそうした定例的な会見であって、コロナのために緊急に開いた会見というわけではない。もちろん定例だけでいいのかという意見はあるので、それは私からも菅総理にきちんと伝える」と話す。
とはいえ、そうした菅総理の意図が伝わりにくいとの声も少なくない。秋本議員は「確かにそう感じる方もいらっしゃるとは思う。やはり饒舌な安倍さんと比較すると、結構無口な菅さん、という感じなので、私もメッセージ性が弱いとは思う。ただ、例えば“3密を回避してください”など、同じことを繰り返し言っているのであって、そこを小池さんはキャッチーに言っているということだ。私は菅さんに近いからはっきりと言うが、仮にプレゼンのプロを付けたとしても、キャラクターは個性でもあるし、70年生きてきた方に変えろといっても変わらないと思う。ただ、メニュー出しをして、“こういうところを強く打ち出した方がいい”というところについてはスタッフが付いているし、2050年のカーボンニュートラルに向け、“コロナの対策の後はグリーンの話だ”といった指南があったと思う」とした。
■医療従事者「ビジョンを示して欲しい」
現場で対応にあたっている愛知医科大学病院・循環器内科助教の後藤礼司医師は「経済を回すために人の移動を許すということも、バランスとしては必要だと思う。一方で病院では面会謝絶にしたり、医療従事者が移動したり人と接する機会を減らしている。やはり市民が混乱しているということは否定できないし、そこに対して“こういうシチュエーションではこういうことが容認されるよ”とか、具体的な数字を出していただくとか、ビジョンが見えない。それを示していただければ、僕たちは確実に現場で戦う。はっきり言って、その点は不満だ」と指摘する。
リディラバ代表の安部敏樹氏は「プレゼンがうまい必要はないと思うが、もう少し具体的な施策に踏み込んで欲しいところがあった。病床が圧迫されている病院への支援もそうだし、ひとり親世帯はもちろん、貧困世帯全般への支援策も欲しい。転職を考えている医療従事者や、進学を諦めてしまいそうになっている子どもたちが安心感を持てるようなメッセージの発信があると嬉しい」と訴えた。
秋本議員は「病床の問題については、三次補正と来年の当初予算でしっかり手当をしていくと明言しているので、これからフォローされていくと思う。一方、ひとり親の支援について言えば、確かに少し発信が弱かった部分がある。ただ、あの短い会見の中で細かく説明をするというのはちょっと難しかったと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
■Pick Up
・キー局全落ち!“下剋上“西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・「ABEMA NEWSチャンネル」知られざる番組制作の舞台裏