試合開始わずか3秒、“戦慄”の左ハイで圧巻のKO劇が幕を開けた。カウント8で試合が再開されると、直後から怒涛の連打でコーナーを背負い防戦一方となり、強烈なフックを被弾。座り込むように2度目のダウンを喫したところで、レフェリーが試合を止めた。1ラウンド31秒のKO決着だった。
12月13日に両国国技館で開催された「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K-1冬の大一番~」。この日、次々と生まれたKOラッシュの口火を切ったのは、今年のK-1甲子園を制した高校生ファイターだった。
今年のK-1甲子園-60kg級で日本一に輝いた17歳の松山勇汰は、この試合が晴れのプロデビュー戦。レオナ・ペタス・ 加藤虎於奈兄弟のチーム「TEAM TOP ZEROS」に所属する松山は、現在、高校2年生の17歳。入場シーンから「ヨッシャー」と叫び気合も十分。対する梅田将成は、過去3戦の経験がある27歳。同じくK-1では初陣となる両者の対戦だ。
試合は一瞬で決した。松山がリング中央で左のロー、すかさず左ハイを当てるとロープに寄り掛かるようにグラつく梅田。間髪入れず松山がパンチの連打をまとめると、梅田は前のめりにダウン。開始直後の波状攻撃に驚いた様子の梅田は、カウント8でファイティング・ポーズをとった。ここまでで、試合時間は19秒。
試合再開、梅田が右ハイを放つも、松山が前蹴りで相手の動きを止め、再び怒涛の連打。コーナーマットに梅田を追いやると左、さらに右フックを放って圧倒。梅田はたまらずコーナーに座り込むように撃沈し、2度目のダウン。ここでレフェリーが試合をストップした。
1ラウンド31秒のKO決着にABEMAの視聴者からも「秒殺だ」「ハイキックが凄かった」といったコメント。さらに怒涛のパンチのラッシュについては「百裂拳」「圧倒的だ」など驚きの声も上がった。
この日ABEMAで解説を担当していたK-1の中村拓己プロデューサーも「また新しい新時代のヒーロー候補が今日生まれた」とその勝ちっぷりに太鼓判。快勝でプロ1戦目を白星で飾った弟分を、ジムの先輩レオナ・ペタスがリングの外から嬉しそうに記念撮影する姿も印象的だった。