身長2mで3拍子揃った王者が、一方的に殴る蹴る。頭突きに加えて反則級のヒザまで飛び出すなど、まさに“やりたい放題”の展開に実況アナウンサーも「見てられませんね…」とポツリ。「化け物だ」「ヤリたい放題」などネットも一時、騒然となった。
12月18日に開催されたONE Championshipのシンガポール大会「ONE: COLLISION COURSE」のメインイベントで、ライトヘビー級のキックボクシング王者であるローマン・クリークリャ(ウクライナ) と“ミスターKO”ことアンドレイ・ストイカ (ルーマニア)によるタイトル戦が行われ、判定3-0でクリークリャが初防衛に成功。判定とはいえ、5ラウンドを通して一方的すぎる展開に「化け物だ」「ヤリたい放題」「見てるこっちが痛い」など視聴者から驚きと同情の声が上がった。
中国のクンルン・ファイトのヘビー級王者を経て、昨年ONE初代ライトヘビー級キックボクシング王者となったクリークリャ。2mの長身と技術、スピードを兼ね揃え“新たな世界最強”との呼び声も高い。対するストイカは欧州のウーシュー王者からキックへ転向し、地元ルーマニアではテレビスターとしても知られる人気選手だ。
身長2m vs 1m88センチ。どちらも大柄だが、体格差は明らかだった。試合開始からクリークリャが遠距離からのローとパンチがさく裂。重量級とは思えない軽快なフットワークで出入りを繰り返し打撃は正確、さらに動きが速い。
上から振り下ろすようなジャブの連打、ミドルなどガードの合間を縫うような容赦ない攻撃がストイカを襲う。一方のストイカはクリークリャに触ることすらできない。「デカくて速いのはズルい」という声も聞こえたが、紛れもなく同じ階級での戦いである。さらに衝撃的だったのはクリークリャの強烈なヒザだ。軽く振り上げただけで、ストイカの顔面に到達するなど、危険な雰囲気を漂わせた。
2ラウンド、クリークリャが中距離でコツコツと精度の高いジャブを顔面に、遠距離からローも繰り出すコンビネーションを見せるとABEMAでゲスト解説を務めた佐藤将光も「脚が長い分、遠心力が働いて効くんです」とダメージの大きさを代弁。
殴られ蹴られ、余りにフルボッコな展開に、実況の清野茂樹アナウンサーも思わず「ちょっと見てられませんね…」と言葉を漏らす。「心折れるわ」「ローが効きすぎ」「ジャブが辛すぎる」視聴者から寄せられる悲痛なコメントに対して佐藤も「ここまでテクニカルな大きい選手がいると、どうしたものか…ですよね」と諦めムードを漂わせた。
3ラウンド、4ラウンドも防戦一方だったストイカを最終5ラウンドに悲劇が襲う。掴みからの首相撲で“頭突き”の反則攻撃、さらにヒザ、右と悪夢の連続攻撃を受けて試合は一時中断。リングに這いつくばるストイカは試合再開後もケージをつたうように殴られ続け、判定3-0で敗北。そんなストイカに対して「かわいそう」「見てるこっちが痛い」「こんなの公開スパーやん…」と同情の声すら聞かれていた。
(C)ONE Championship